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G.Donatiプルーフゲーム傑作選(35)

(35)Gianni Donati(Probleemblad 04/2001)

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           Proof Game in 17.0 moves(16+16)

1.e4 Sc6 2.Qh5 Se5 3.Ke2 Sg6 4.Kf3 f6 5.Kg4 Kf7 6.Sf3 Ke6 7.Bc4+ Kd6 8.Bf7 e6 9.Re1 S8e7 10.Re3 Sc6 11.Rb3 Be7 12.Rb6 Re8 13.b3 Bf8 14.Bb2 Se7 15.Bd4 Sg8 16.Be3 Ke7 17.Bh6 Sb8

 白の盤面配置は17手ちょうど。一方黒は、Bf8とSg8がスイッチバックしたとしても10手しかかからない。(黒Kは少なくともd6まで足を延ばさなくてはならないことに注意)しかし、もう少し良く考えてみよう。気になるのはBf7の配置だ。これがこの位置に来るにはc4-f7という経路しかなく、その時黒側のPはe7-f6となっている筈だ。ということは、そのままだとBf7の瞬間にチェックがかかってしまうではないか!明らかに、この時点ではもう黒Kは初形位置にいないのだ。このことから、黒の序がPf6-Kf7-Ke6…となりそうだと推測できる。だが、これは実際には不可能である。というのは、白の初手は1.e4しかなく、後続手もQh5かBc4しかないからだ。では、いったいどうやって黒Kを脱出させればよいのだろうか?
 正解は、Sによるscreeningだ。Sb8をg6にまで連れてきてからなら、Qh5の利きを気にすることなく当初の予定通りPf6以下黒Kを外に逃がすことができる。続いてd6からe7に戻るときには、Rb6の利きを遮るためにSg8が利用される。そして結果として盤上に描き出される、2枚のSの位置交換(position change with bSs)。実に見事である。

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