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温故知新(詰パラ292号-02)

今日は短編競作展から2作紹介しよう。

           第3位 鈴木信幸

(詰パラ 昭和55年6月号)

42角、23玉、33飛、24玉、53飛成!35玉、44龍、同玉、45金迄9手詰。

 あのまささんも三日悩んだ(笑)という作。しかし、本作は初手63飛、24玉、33角以下の余詰がある。以下35玉は65飛成以下、14玉も32角成、23合、同馬、同玉、22角成以下捕まっている。(これはtoshikiさんに教えて頂いた)
 作者による修正案は、玉方21香追加とのこと。(6/10修正)

           第2位 西田 弘

(詰パラ 昭和55年6月号)

79桂、同銀成、89香、同成銀、88銀、同玉、77馬、同玉、78金迄9手詰。

 恐らくこの頃の短コンの結果稿は主幹の筆によるものだと思われるが、本作では作品内容よりも解説の文章が気になった。

☆自衛隊の中堅幹部、体のガッチリしたハリキリ紳士? 見た所、詰棋をやる人のようには見えぬ。(失礼)

全く失礼である(笑)。更に、295号にも同様の文章があり、

☆旭川―静岡―名寄と転勤の自衛隊の将校さん、ガッチリした赤ら顔の無骨な男、詰棋をやるようには見えぬ。
西田―顔で詰棋はやりません。
☆ご尤もです。

主幹もシツコイねえ(笑)。

短コンはここまで。更に読み進めると、フェアリー研究室に名作発見!

           左 真樹

バカ自殺詰 6手(詰パラ 昭和55年6月号)

62角、同玉、69飛、68角、35角、44飛迄6手詰。

 当時の解説によると「不詰」「誤植」「理論的に6手では不詰」などの答案が続出したそうだ。確かに6手で持駒3枚なんだから連続して3回持駒を打つしかないが、3回目の王手に対して合駒で逆王手がかかったらそれを取ってしまえば詰まないじゃないか、と思ってしまうのももっともだ。「3回連続して逆王手をかけると、攻方の王手駒もピンされる」というのはまさしくコロンブスの卵。
 当然前衛賞となる筈だったが、第7回の前衛賞長編賞を左氏が受賞されることになり、本作も得票ではトップだったにもかかわらず「同時受賞を避ける」という意味で得票数2位の人に短編賞を譲ったという経緯がある。しかし賞がこういった恣意的なさじ加減で決まるというのは本来おかしな話であり、今なら何の問題もなく同時受賞だっただろう。

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