私家版・近代将棋図式精選(25)
(43)伊藤 正「波濤」
(近代将棋 昭和57年6月号)
23銀、21玉、22歩、11玉、12歩、同飛、同銀成、同玉、11飛、22玉、
23桂成、同玉、14飛成、32玉、
「33歩、42玉、43歩、52玉、53歩、62玉、63歩、72玉、73歩、82玉、
83歩、92玉、93歩、同玉」
『96飛、83玉、86飛、73玉、76飛、63玉、66飛、53玉、56飛、43玉、
46飛、33玉、36飛、43玉、34龍、52玉』
「53歩…93歩、同玉」
『96飛…56飛、63玉、54龍、72玉』
「73歩…93歩、同玉」
『96飛…76飛、83玉、74龍、92玉』
93歩、同玉、96飛、82玉、86飛、92玉、83龍迄87手詰。
このころの伊藤氏は、こういったどちらかといえば原始的な追い趣向を追求していたようだ。しかし配置からも分かるように、1枚の歩さえも忽せにしない、作者の厳しい推敲が隅々まで行き届いている。シンプルな趣向でも、無駄なくきっちりと仕上げれば面白くなるという見本のような作。
(44)植田尚宏
(近代将棋 昭和57年7月号)
22銀、同玉、42龍、32歩、31龍、13玉、12金、同玉、24桂、同飛、
11金、13玉、22龍、同玉、12金打迄15手詰。
金合が出来ないことを見越しての42龍が面白い一手。それに対する32歩も惚けた応手。いつもの植田氏らしさとは一寸違うが、ユーモアを感じる応酬だ。
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