私家版・近代将棋図式精選(86)
(171)林 雄一
(近代将棋 平成6年9月号)
第84期塚田賞
39金、同玉、47銀、37角成、48銀、29玉、38銀、18玉、15飛、同馬、
19歩、28玉、39銀、同玉、29金迄15手詰。
移動中合自体は別に目新しいものではないが、37馬を更に飛の捨駒によって動かし、又二枚の銀をそれぞれ二度ずつ活用して収束するなど、その後の纏めの巧みさには目を見張るものがある。林氏の短編における代表作ではなかろうか。
(172)植田尚宏
(近代将棋 平成6年10月号)
74桂、同歩、92金、同玉、84桂、同歩、91金、82玉、94桂、同歩、
92金、同玉、93金、81玉、61飛成、同銀、82金打迄17手詰。
「『待宵』に入っている」と言われたら、思わず信じてしまいそう。そんな素朴な美しさを湛えた作。
(173)植田尚宏
(近代将棋 平成6年12月号)
14飛、同銀、24桂、22玉、13銀、同玉、25桂、同銀、12桂成、同香、
23金打、14玉、24金迄13手詰。
右上隅でこぢんまりとした実戦形を目指すとき、作家は好むと好まざるとにかかわらず「塚田流」を意識せざるを得なくなる。全くの憶測だが、この時作者の頭にあったのは例えば以下のような図ではなかろうか。
*参考図 塚田正夫
(発表年不明)
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