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G.Donatiプルーフゲーム傑作選(27)

(27)Gianni Donati(Probleemblad 03-04/2002)

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           Proof Game in 25.5 moves(11+12)

1.Sf3 Sc6 2.Se5 Sd4 3.Sxd7 Kxd7 4.a4 Ke6 5.a5 Kf5 6.a6 Kg4 7.axb7 Bf5 8.Rxa7 e6 9.Ra1 Rxa1 10.Sc3 Rxc1 11.h4 Ra1 12.h5 Ra4 13.h6 Rc4 14.hxg7 Bb4 15.Rh6 Qe7 16.Rg6+ hxg6 17.Qa1 Rh1 18.Kd1 Sh6 19.Kc1 Rxf1+ 20.Sd1 Rh1 21.Qa8 Rh3 22.Qh8 Rb3 23.Sc3 Bd3 24.Sb1 Sf5 25.Qh1 c5 26.Qd1

 定跡通りに取られた駒の確認から始めよう。無くなった駒は白がBBRRS、黒がPPPP。白の2枚のBはいずれも原形位置で取られているが、これらを取ったのは黒Rだと決め打ちするとRb3/c4はいずれも5手動いていることになり、これで黒の盤面配置はちょうど25手になる。従って、黒の4枚のPは全部原形位置で取られており、このうちb筋とg筋のPは白Pによって取られたのが明らか。残るa筋とd筋の黒Pはそれぞれ白のRとSによって取られるのが自然である。先に取られたのは当然c1にいたBの方なので、白はa筋を掃除して黒Ra8にBc1を取らせた後Kをc1まで移動させ、d1かe1に遮蔽駒を入れた後、今度はh筋も同様に綺麗にしておいて黒Rh8にf1のBを取って貰うということになる筈だ。
 実は、この目論見を成功させるためには邪魔な駒が一枚ある。それは白Qだ。この駒の為に、白のKは簡単にc1に行くことができない。かといって、下段で入れ替えようとしても、Qa1-Kd1-Kc1-Kb1-Ka2-Qd1-Kb1-Kc1と8手かかってしまい、手数オーバー。一体どうしたらいいのだろうか?
 ここでうんうん唸った末にQのRundlaufが閃いた瞬間が、解図の醍醐味というものだろう。改めて問題図を見れば、Donatiがその筋を隠そうともしてないのが明らかだ。作者とすれば、解答者を悩ますよりも、この美しいQのmaximal Rundlaufを多くの人に見て欲しかったのではなかろうか。

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