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Michel Caillaud, The chameleon composer(3)

 Mikeは私にお気に入りの作品を12作選んで欲しいと頼んできたが、それを選ぶのは難しかった。なので、既に書いた内容の実例になるような作品を選んでみた。

No.1 Michel Caillaud(Die Schwalbe 1981, 1st Prize)
dedicated to Werner Frangen

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           Proof Game in 30.0 moves (15+14)

1.b4 c5 2.b5 Sc6 3.bxc6 b6 4.c7 Bb7 5.c8=R Bf3 6.gxf3 Rb8 7.Bh3 Rb7 8.Be6 Rc7 9.Sh3 Rc6 10.Rg1 Rd6 11.Rg4 Rd3!! 12.Ra4 Rd5 13.d4 Sh6 14.Qd2 Sf5 15.Qh6 Rd6 16.Bf4 Rc6 17.Sd2 Rc7 18.0-0-0 Rb7 19.Rg1 Rb8 20.Rg6 hxg6 21.Qh7 Ra8 22.Qg8 Rh4 23.Bg3 Re4 24.Bb3 Re6 25.Sf4 Rc6 26.Sh5 Rc7 27.f4 Rb7 28.Rc6 Qc7 29.Re6 Kd8 30.Re3 Kc8

 a8の黒Rがテンポを失うために13回動く。当時としては目新しい表現であり、Die Schwalbeの読者を驚かせた、私にとって最初の大成功である。これは私が兵役にあったときの夜間警備中に作ったものだ。
 私はしばしば「現代的な」プルーフゲームの創始者と称されている。実際のところ私は、1980年にWiener-Neustadtで開催されたWFCCの会合に出席するまでは、Luigi Cerianiの影響下で主としてクラシカルレトロを志向していたのだが、その会合で既にこの分野で先駆的な仕事をしていたMarkus Ottと会い、彼は私にこの分野の大きな可能性を確信させたのだ。私はこの記念すべき会合で、初めてMilan VelimirovicとMarjan Kovacevicにも会っている。彼らは私にオーソドックスの2手詰における現代的な展開を説明してくれたが、こちらの素晴らしいひとときは私の創作活動においてそれほど決定的ではなかった。

No.2 Jacques Rotenberg, Jean-Marc Loustau & Michel Caillaud
(Rex Multiplex 1983, 2nd Prize)

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           H#3 (3+15)

1.Re5 Bd5 2.Re6 Re5+ 3.Qe4 Rf5#

 3手のヘルプメイトで単解というのは、当時既に稀だった。理論的な側面について言えば、Rex Multiplexの記事にあるように、本作は'closed chained'のUmnov(各駒は前に動いた駒が元いた地点に動くが、最初に動いた駒の到着地点をサイクルに含めるという、難易度の高い追加条件を伴う)になっているが、これは複数解においては殆ど見られないものだ。ここでは、2組の駒の位置交換と組み合わされている。私の主な貢献は、Jean Bertinのコンピュータを使って、このアイデアを表現する適切な構図を得たことだった。

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