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温故知新(詰パラ344号)

 今日は詰パラ344号(昭和59年10月号)を読んでみよう。この号は短編に面白い作が多い。早速引用してみよう。

           谷口 均

(詰パラ 昭和59年10月号)

56金打、同と、24角、47玉、14角成迄5手詰。

 筋悪く金を重ね打ちしておいて、龍筋に当てて取れない捨駒を放つ。このコンビネーションが素晴らしい。やはり、今見ても超短編における谷口さんの感覚は抜きん出ているなあ。
 ところで、実はこの図には初手13角以下の余詰がある。ご本人は確か「攻方13歩追加」と仰っていた筈だが、これは一寸露骨過ぎる。私なら攻方67歩追加かなあ。平行移動などで駒数を増やさずに修正できればいいのだが、なかなか難しそうだ。

           中原信治

(詰パラ 昭和59年10月号、半期賞)

68角、25玉、45龍、35金、34龍、同金、69角迄7手詰。

 取れない限定打、合駒、そしてその合駒を動かして透かし詰。これだけのことをやっているのに、構図・手順とも全く無理がない。7手詰のひとつの理想形を体現していると言っても過言ではない。
 ただ残念なことに、55歩は不要駒。恐らく作者は68角を同飛と取られた場合の変化を33龍-37龍で処理しようとしたのだろう。(実際には45龍以下同手数駒余りで割り切れている)

           赤羽 守

(詰パラ 昭和59年10月号、半期賞)

85角、76桂、58銀、同玉、95角、57玉、68龍、同桂成、84角迄9手詰。

 85角に対して桂合以外なら13角成で簡単なだけに、桂合のときだけ逆に角を開くというのは気付き難い。難渋な変化もなく、解後感は極めて良い。

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