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楽しいレトロプロブレム(35)

(34) Josef Haas (Die Schwalbe 20 04/1973)

白が1手戻し、それから#2にせよ  (8+10)

 なくなった駒は白がRBBSPPPPの8枚で、黒はQRBBSPの6枚。白側の駒取りはe筋のPによる4枚と黒Bf8の合わせて5枚が判明していて、黒側の駒取りはPによる3枚が分かっています。

 とりあえず-1.Sb3xBa1?と戻してみましょう。すると、この黒Bが成駒であることは分かりますが、それ以上の情報は得られませんね。よって、1.Rxa1としてみても、1...0-0とされてしまい、全然届きません。このcastlingを阻止するにはどうしたらよいのでしょうか?
 実は、Sを戻せば、黒のcastlingがillegalであることが示せます。でも、どうしてそんなことが言えるのでしょう?

           (図1)

 Bと違って、a1に黒Sを戻せばその直前の手がS成を戻す手であることはすぐに分かりますね。この黒Pは、遠くf筋から5枚も駒取りをしてa1に辿り着いていたのです。
 すると、他の黒Pでも3枚駒取りをしていますから、黒側の駒取りはこれで尽きています。ところで、黒に取られた白駒の中にはh筋の白Pも含まれますが、これはどうやって黒Pに取られたのでしょう?
もうお分かりですね。このh筋の白Pが黒Pに取られるためには成る必要がありますが、黒Sを戻したために白の駒取りは既に尽きています。従って、黒Rh8が不動ではあり得ないので、黒のcastlingはillegalとなるのです。これより作意は、Retract -1.Sb3xSa1 & 1.Rxa1 --- 2.Ra8#(1...0-0?? illegal!)となります。

(35) Michel Caillaud (G.Donati 50th JT 12/2003, 1st Prize)

Proof Game in 15.0 moves (13+15)

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