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プロパラを振り返る(63)

 今日は上田さん特集です。

(133) 上田吉一 (Problem Paradise 30, 2004)

133 上田吉一

           SH#2 10sols. (9+4)
                                        b) Series-direct#2 1sol

           Zebra c3; Flamingo c7
           Grasshopper d3; Nightraider d5
           Kangaroo e5; Equihopper f8
           (2,5)-Leaper g5; Giraffe g7

Series help:黒だけが連続してn手指し、その後1手で白が黒をメイトできるような手順を求める。最終手を除いて、黒は白にチェックをかけてはならない。
Series direct:白だけが連続してn手指し、黒をメイトできるような手順を求める。最終手を除いて、白は黒にチェックをかけてはならない。
Zebra:(2,3)-leaper。
Flamingo:(1,6)-leaper。
Grasshopper:Qと同じ方向に、駒を一つ飛び越えてその次の桝に着地する。そこに敵の駒があれば取れる。
Nightrider:Sの線上を延長した地点に跳べる駒。そこに敵の駒があれば取ることができ、線上に別の駒が挟まっているとそれより先には行けない。
Kangaroo:Qと同じ方向に、駒を二つ(離れていてもよい)飛び越えてその次の桝に着地する。そこに敵の駒があれば取れる。
Equihopper:任意の方向に駒を一つ跳び越して、その線上で跳び越した駒から等距離の地点に着地する。
Giraffe:(1,4)-leaper。

a)1.d1=B 2.Be2 KAe1#
1.d1=S 2.Se3 KAe2#
1.d1=G 2.Gd4 KAb2#
1.d1=GI 2.GIc5 KAb5#
1.d1=E 2.Eb5 KAa5#
1.d1=KA 2.KAd6 KAb8#
1.d1=FL 2.FLe7 KAe8#
1.d1=(25) 2.(25)f6 KAh8#
1.d1=N 2.Nf5 KAh5#
1.d1=Z 2.Zf4 KAh2#

b)1.Kb2 2.KAa1#

 10種成に加え、a)とb)合わせて11ヶ所もカンガルーが跳び回る。これぞ上田ワールド!


(134) 上田吉一 (Problem Paradise 30, 2004)

134 上田吉一

           H#12 (2+1+2)
           K-Madrasi, PWC, UltraSchachZwang

           Vizir g6; Neutral Rook c4
           Neutral Grasshopper c8

K-Madrasi:「同種の敵の駒から取りを掛けられると、その駒は動けなくなる」というmadrasiのルールをKにも適用したもの。
Platzwechselcirce:駒を取るとき、取られた駒は取る駒が直前にいた位置に再生する。8段目に発生したPは任意の駒に成れ、その選択は取りを行った側が決められる。1段目に発生したPは動けない。
UltraSchachZwang:黒は常に白にチェックをかけなくてはならない。
Grasshopper:Qと同じ方向に、駒を一つ飛び越えてその次の桝に着地する。そこに敵の駒があれば取れる。
Vizir:(0,1)-leaper。
neutral piece:黒からも白からも動かすことができる駒。

1.nRa4+ nGa6 2.nRxa6(nGa4) nRc6 3.nGd7+ nRc7+ 4.nRxd7+(nGc7) nGe7+ 5.nRxe7+(nGd7) nGf7+ 6.nRxf7+(nGe7) nGg7+ 7.nRxg7+(nGf7) nGh7+ 8.nRg8+ Vig7 9.nGf7+ Vixf7(nGg7) 10.nGe7+ Vixe7(nGf7) 11.nGd7+ Vixd7(nGe7) 12.nGc7+ Vixc7(nGd7)#

 行きはnRを右に運んでいき、帰りはVizirを連れてくる。ルールと駒の利きさえ分かれば誰にでも理解できる、上田流の明快なフェアリー趣向詰。

(135) 上田吉一 (Problem Paradise 30, 2004)

135 上田吉一

           #14 (2+2+1)
           Neutral Pawn f3

1.Kf2 Kh1 2.a4 h2 3.Kf1 nPf2 4.nPf4 nPf3 5.a5 nPf2 6.nPf4 nPf3 7.a6 nPf2 8.nPf4 nPf3 9.a7 nPf2 10.nPf4 nPf3 11.a8=R nPf2 12.nPf4 nPf3 13.Ra1 nPf2 14.Kxf2#

 単調なnPの動きも、それを反復することによって面白味が出てくる。勿論、その繰り返しの原理も含めて味わっているのだが、あちらのフェアリストに最も理解し難いのは、こういう日本人の感性なのかもしれない。
(平成25年5月1日記)

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