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温故知新(詰パラ351号)

 今日は詰パラ351号(昭和60年5月号)を読んでみることにしよう。頁をめくっていくと、学校に名作を発見!

           小林敏樹

(詰パラ 昭和60年5月号、半期賞)

56飛、同玉、58香、66玉、67金、同と、59馬迄7手詰。

 穂上氏が「いつもながら『素材の完成形』」という評を寄せているが、まさしくその通り。手順・配置とも推敲され尽くした名作。

 続いて、フェアリストの手にかかると煙もこうなってしまうという例を。

           橋本孝治

(詰パラ 昭和60年5月号、半期賞)

88成桂、99玉、89成桂、同玉、86龍、99玉、97龍、89玉、79成桂、同玉、99龍、78玉、68成桂、同玉、88龍、69玉、89龍、68玉、58と、77玉、
「79龍、87玉、86と引、98玉、97と、同玉、99龍、86玉、88龍、76玉、67と、同玉、57と、76玉」
「78龍、86玉…98龍…87龍…56と、75玉」
「77龍、85玉…97龍…86龍…55と、75玉」
76龍、84玉、83と引、95玉、94と、同玉、96龍、83玉、85龍、92玉、81龍、同玉、83飛、71玉、73飛成、61玉、52と、同玉、44と、61玉、52香成、同玉、43と、同馬、64桂、51玉、52銀、同馬、同桂成、同玉、 34角、41玉、43龍、42飛、同龍、同玉、52飛、41玉、31と、同玉、 22香成、同玉、23角成、同玉、24香、13玉、14金、同玉、25金左、23香成、同玉、32飛成、13玉、
『24金、同玉、33龍、14玉』
『25金、同玉、34龍、15玉』
『26金、同玉、35龍、16玉』
17歩、同玉、37龍、18玉、27銀、17玉、26龍、28玉、37龍、17玉、
18歩、同馬、同銀、同玉、63角、19玉、17龍、29玉、18角成、39玉、
28龍、49玉、27馬、59玉、37馬…77馬、89玉、88龍迄163手詰。

 3種類の趣向を含む煙詰。作者は、左真樹氏の天竺煙のような、趣向を繰り返すうちにいつのまにか駒が消えているという構成をイメージして作ったらしい。そして、それは十分達成できたと見ていいだろう。
 当時の担当山本氏は「フェアリー感覚を詰将棋に持ち込むことに成功している」と高く評価されていたが、あれから30年以上過ぎてフェアリーと普通詰将棋の間の垣根が随分低くなったことは、誰しも認めざるを得ないだろう。勿論、その最大の功労者が橋本氏であることは言う迄もない。

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