令和3年度 自作ベスト5(1)

 今年も残すところあと少し。例年通り、発表作を通じて自分なりにこの1年を振り返ってみたいと思う。

(1) Problem Paradise 93, 2021

画像1

           H#2 Circe (1+2)
           Invisibles 2+0

1.Sh2 Kc1 2.Kh1 Bg2#

 白の1手目は勿論キャスリング。黒の初手1.Sh2でf1が埋まることはないので(もし白の透明Bを取ったのだとしても、それはf1ではなくc1に復活する)、このキャスリングにより黒Kにはチェックがかかっている筈である。ところが黒は悠々2.Kh1とする。これはチェック放置の反則ではないのか?
 当然これは合法な手なのだから、考えられるのは一つしかない。キルケ特有の受け、所謂「魔女返し」だ。つまり、黒Kはh1にあった白の透明Bを取り、それをf1に復活させた訳だ(透明Sを取った場合は復活場所がb1になるので、受けにならない)。よって白は最終手で、可視化したBf1による両王手をかければよい(3.Kxg2?は再度f1に白Bが復活するので、セルフチェックの反則)。
 詰め上がりはfairy mate。余詰消しなど一切置かずに成立してくれたので、仕上がりには満足している。

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