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G.Donatiプルーフゲーム傑作選(40)

(40)Gianni Donati(The Problemist Supplement 2001-02, 1st Prize)

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           Proof Game in 20.0 moves(15+13)

1.e3 Sf6 2.Bb5 Sd5 3.Bc6 dxc6 4.Ke2 Qd6 5.Kd3 Qg3 6.hxg3 h6 7.Rxh6 f5 8.Rf6 Rh4 9.Se2 Rc4 10.Qh1 Rc3+ 11.bxc3 Sb6 12.Ba3 Sc4 13.Bd6 Sa5 14.Sa3 Sb3 15.Rb1 Sd4 16.Rb4 Se6 17.Rg4 Sd8 18.R4g6 Sf7 19.g4 Sh8 20.Sg3 Sg8

 まずは手数計算から。白は盤面配置を作るのに18手、又Bf1をc6に捨てるのに2手かかるので、これで白の手は尽きている。一方黒の無くなった駒はQRPの3枚で、このうち2枚がc/g筋でPによって取られている。白の2枚のRは、h筋の方がh6-f6と移動した後(この時にh筋の黒Pも取っている筈)a筋の方がb1-b4-g4-g6と移動しているので、g筋の駒取りの位置はg3に確定する。
 以上の条件を踏まえて、序を考えてみよう。白は初手よりe3-Bb5-Bc6-Ke2-Kd3が絶対。ここで黒Qの利きを考慮すると、d筋にはscreeningする駒が必要なことが分かる。それが黒のSであることもほぼ明らかだ。b筋のSならc6-d4となり、g筋のSならf6-d5となるが、どちらが正しいかは試行錯誤してみればすぐに分かるだろう。S特有の不規則な軌跡を一意に限定しつつ、12手ものlong Rundlaufを達成した手腕は流石である。

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