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私家版・近代将棋図式精選(80)

          (156)植田尚宏

156 植田尚宏

          (近代将棋 平成5年5月号)

43桂、同銀、23桂、32玉、34飛、同銀、33金、21玉、54角、43桂、
同角成、同銀、11桂成、同玉、32金、44銀、23桂迄17手詰。

 要するに持駒の角を他の駒に換える為に34飛と捨てている訳だが、こういうのを言葉で説明するとどうも一番肝心なものが零れ落ちてしまうような気がしてならない(妙手というほどの手でもないし)。畢竟、こういう作品の良さは、分かる人にしか分からない。


          (157)阿笠栗介

157 阿笠栗介

          (近代将棋 平成5年6月号)

13香、イ23玉、24香、同玉、33銀、13玉、22銀、23玉、33銀成、24玉、
13銀、同香、23成銀、同玉、22飛迄15手詰。

イ同玉は22銀、24玉(23玉は33銀左成、24玉、13銀)、33銀左、23玉、
 24香、同銀、同銀成、32玉、33成銀以下。

 2手目23玉に対し33銀成とすると24玉で逃れ。初手で打った香が銀打を妨げているのだ。そこで攻方は24香-33銀生と香一枚使って遠回りし、これにより13香がない状態で33成銀という局面を得て詰に至る。
 一寸したロジックがあって面白い作品だと思うが、初手13香を同玉と取った場合の変化が15手駒余らず、つまり変同になっているようだ。これは玉方51歩追加くらいで簡単に消せるのだが、作者は「変同はキズではない」と思って、敢えて消さなかったのだろう。


          (158)植田尚宏

158 植田尚宏

          (近代将棋 平成5年10月号)

31と、イ同銀、11金、22玉、21飛、13玉、24銀、同金、12金、同玉、
11飛成、同玉、31龍、12玉、13歩、同玉、22銀、12玉、11龍迄19手詰。

イ11玉は21飛、12玉、22飛成、同玉、33金以下。
イ12玉は21銀、13玉、12金、同角、同銀成、同玉、21角以下。

 狭いところでの詰み崩し。改めて言う迄もないことだが、巧いもんだねえ。

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