見出し画像

私家版・近代将棋図式精選(04)

          (6)橋本 樹

6 橋本 樹

          (近代将棋 昭和55年6月号)
        第55期塚田賞短編賞、第19期看寿賞短編賞


56銀、同銀、67桂、同銀生、46銀、44玉、37銀、55玉、45飛、同玉、
46龍迄11手詰。

 序の手の掛け方は順当なところ。67銀生と応じたところで狙いの重ね打ちが飛び出すが、46銀-37銀という展開はまさしく思考外の手。この手順がこの初形で表現できたことに価値がある。


          (7)若島 正

7 若島 正

          (近代将棋 昭和55年6月号)

19銀、29玉、18銀、28玉、29香、同桂成、17銀、37玉、47金、同銀成、
19角、27玉、18龍、同玉、28銀迄15手詰。

「盤上のファンタジア」の第32番、第34番などにも共通する、余り短編らしくない短編。情緒的な部分を一切排した、言うなれば乾いた手順構成が氏の作風なのだろう。


          (8)斎藤吉雄

8 斎藤吉雄

          (近代将棋 昭和55年6月号)

25桂、22玉、33桂成、12玉、22成桂、13玉、12成桂、同香、24銀、22玉、33銀生、13玉、14飛、同玉、24銀成、15玉、25成銀迄17手詰。

 すぐに24銀-33銀生では12玉で逃れ。11香を一目上げる為の桂を使った8手の事前工作が、その後の銀の動きとシンクロして面白い効果を生んでいる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?