温故知新(詰パラ355号+356号)
今日読んでいるのは詰パラ355号(昭和60年9月号)と356号(昭和60年10月号)。まず目に付いたものを2作引用してみよう。
平松準一
24金、同金、23飛、同金、21銀生迄5手詰。
複合捨駒のエッセンスを抽出した作。この初形でこれだけできれば十分。
356号の表紙には、幼稚園の担当を降ろされたばかりの信太氏の作が載っている。
信太 弘
26桂、23玉、41角、12玉、42飛成、32歩、22銀成、13玉、14歩、同と、 33龍、同歩、23角成迄13手詰。
32歩中合が見えているだけに、42飛成がむしろ新鮮に映る。ここは反射的に不成で行って悩んだ人が多かった筈。最後はこの中合に龍を取らせてフィニッシュ。
中合で発生した歩に龍を捨てるというと、OT松田氏の塚田賞受賞作が有名だ。こちらにはあれほどのインパクトはないものの、小奇麗に纏まっているところが私好みの作品である。
それから、フェアリーランドを見ていたら、6月号で見落としていた作を結果稿に見つけた。
山田嘉則
65歩、66桂、67龍、同銀生、59香、58桂成、同香、同銀生、68桂迄
9手詰。
59香に対して58桂と合駒できれば簡単だが、それを可能にするためのやりとりがくっきりと描かれている。いかにも山田氏らしい、「まず論理ありき」の作。
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