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G.Donatiプルーフゲーム傑作選(9)

(9)Gianni Donati (Probleemblad 09/1998)

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           Proof Game in 22.0 moves (14+15)

1.h4 Sf6 2.h5 Sd5 3.h6 xh6 4.Sf3 Bg7 5.Rg1 Bc3 6.Se5 Kf8 7.f3 Kg7 8.Kf2 Qg8 9.Kg3 Kg8+ 10.Kh4 Qg6 11.d4 Qb6 12.Kh5 Qb3 13.axb3 Ke8 14.Ra6 Kd8 15.Rf6 xf6 16.Sa3 Se7 17.d5 Re8 18.Qd4 Sb8 19.Qa4 Bb4 20.c4 Bf8 21.Sc2 Re7 22.Se1 Ke8

 いつものように盤面の手数計算から始めよう。この局面配置を作るのに、白は16手かかる。一方、黒の方はかなり余裕がありそうだ。又、無くなった駒は白がRPで、黒はQのみ。どちらも取られた場所は確定している。明らかにPf6は白Rを、そしてPh6は白Pを取っているのだが、ここで良く考えてみるとQa4がd1から1手で行くのはあり得ないことが分かる(何故でしょう?)ので、このQはd4-a4というルートを辿ったことになる。すると、この配置には17手かかっていて、Ra1とPh2がf6/h6に行くにはそれぞれ2手/3手かかるので、これで22手ちょうど。白の手はもうこれで尽きている。
 今度は黒側に目を向けてみよう。明らかに黒は2枚のPが動かない限り指す手が殆どなく、白が3.Ph6とすることで漸く外界との通気口が一つ開いた感じになる。ここからQを出してb3に運ばないと、白Ra1にf6まで来て貰えないのだ。それに加えてRh8をe7に連れてくるという二重の意味付けにより、Kの他にBf8,Sg8も動かす必要があることが判明する。ここまでくれば、後は楽しく試行錯誤すればよい。ほどなくして、BとSのdoubled Rundlaufが見えて来る筈だ。QやRのせいで右往左往させられる黒Kの動きもユーモラスで、エンターテイメント性十分の好作。

 ちなみに、我らが橋本哲も同様のテーマを手掛けているが、当然ながらその意味付けは全く異なる。興味のある方は、是非比較してみて下さい。

参考図 橋本 哲(Problem Paradise Issue no.10 1998)

9-a 橋本 哲

           Proof Game in 21.5 moves (14+14)

1.h4 g5 2.Rh3 Bg7 3.Rd3 Be5 4.Rd6 cxd6 5.Sc3 Qa5 6.Se4 Qa3 7.xa3 a5 8.Bb2 Ra6 9.Bd4 Rc6 10.Be3 Rc3 11.xc3 b6 12.Qd5 Bb7 13.Qe6 fxe6 14.0-0-0 Kf7 15.Kb2 Kg6 16.Bc1 Kf5 17.Sd2 Kf4 18.g4 Bg2 19.Sgf3 Bh3 20.Bg2 Sf6 21.Rh1 Rf8 22.Sb1+

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