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G.Donatiプルーフゲーム傑作選(33)

(33)Gianni Donati(Springaren 85, 06/2001)

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           Proof Game in 23.5 moves(12+16)

1.h4 e6 2.Rh3 Qxh4 3.Rc3 Ke7 4.Rc6 bxc6 5.b4 Ba6 6.Bb2 Bxe2 7.Be5 Sa6 8.Bg3 Rb8 9.f4 Rb5 10.Bf2 Rh5 11.f5 g5 12.f6+ Sxf6 13.b5 Sd5 14.b6 f5 15.b7 Kf6 16.b8=R Bc5 17.Rb3 Rb8 18.Rh3 Rb3 19.Rh1 Rg3 20.Be3 Sb8 21.Bf4 a6 22.Bd6 Ba7 23.Ba3 Sb6 24.Bc1

 まずは黒の手数計算をしてみよう。黒Rの軌跡に迷うが、いずれもb8を経由したと考えればそれぞれ3手ずつで、23手ちょうどになる。白の取られた駒はb/e/f/h筋のP4枚。ところが取られた場所の一つがc6ということは、少なくとも1枚のPは成っている。しかし白は駒取りをしていないので、h筋のPが成ることはできない。e/f筋のPが直進して成った可能性はあるにせよ、まずは順当にb筋のPが成るものとして考えていこう。
 Rh5とするまではf/g筋のPを動かせないことを考慮すると、黒の序はe6-Qh4-Ke7で確定だ。(Bc5は、Rがh5に入る邪魔になってしまう)すると、h筋のPを取って貰う為に白の初手はh4となり、あと3手でc6に捨駒をすることから、Rh3-Rc3-Rc6が自然に思い浮かぶ。当然その後はb筋のPをRに成り、その後h1まで戻すことになるが、そうすれば白に残された仕事はあと一つ、Pf2を処分することだけだ。
 ところが、これが案外難しい。というのは、Qh4の睨みがあるためにg3に何か遮断駒を挟まないといけないのだ。このPf2をf6で取る駒がSg8であることはすぐ分かるが、Rg3は元々h8にいた駒だ。従って、Sが動くまでこの駒もまた動けない。こいつが回ってくるまでの急場凌ぎをしてくれる駒はどれなのか?黒には手数の余裕はないから、白は自分でこれを処置しなくてはならない。一見RでもSでも可能に見えるが、それらだとf4と突いた瞬間、今度はその駒がピンされて動けなくなってしまう。それを解放するために更にf2にも駒を…などと考え始めるともう泥沼だ。ここはBを挟むのが正解。f4の後にBf2とすることで、ピンされたままg3を空けることができる。これに気付くかどうか。ここさえ発見できれば、後はRのPronkinとBのlong Rundlaufを楽しむことができるだろう。

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