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JOSIF KRICHELI傑作選(13)

(18) Josif Kricheli (Schachmaty 1965, 1st Prize)

H#3 2sols. (6+8)

(18)においては、見事なODTが見られる。

1.Rd1 Rc6 2.Kxe4 Ba8!! (tempo) 3.Rd3 Rf6#
1.Bf1 Bc6 2.Kc4 Rc8!! (tempo) 3.Bd3 Ba4#

 グリムショウ、そして白R/Bが焦点から1枡下がる、純粋なテンポムーブ。それは、黒R/Bのどちらがd3を塞ぐべきか、すなわちどちらの駒が白バッテリーのコントロールを諦めねばならないかを決定している。

(19) Josif Kricheli (feenschach 1970, 1st Prize)

H#4 2sols. (4+4)

(19)は、他では見られない双方のSの組み合わせを持った一つの発見である。黒Sb2は3手でc2/e2を塞ぐことができる。一方、白Sf8は4手でc3/e3に到達することが可能だ。従って黒の残り1手は、白KにチェックをかけるSa8の手ということになり、このことが白Sの軌道を確定する。黒Sb2に関しても、白Kがその軌跡を限定している。

1.Sc4 Se6 2.Sc7+ (tempo) Sxc7 3.Sa3 Sb5 4.Sc2 Sc3# (modelmate)
1.Sd3 Sd7 2.Sb6+ (tempo) Sxb6 3.Sc1 Sc4 4.Se2 Se3# (modelmate)

この作品が有名であるのは当然であろう!

(20) Josif Kricheli (Die Schwalbe 1975)

H#4 (2+3)

 J.KRICHELIは主にヘルプやフェアリーの分野で多くのミニチュアを創作したが、その殆どはハイレベルで、名作選に収録される価値のあるものだ。(20)はそのような作品のうちの一つであり、彼の仕事の重要な一部を形成している。

1.Sd7 Kxa5 2.Se5 Ka6 (tempo) 3.Sc6 Kb6 4.Sb8 Sc7# (idealmate)

 たった5枚の配置(タナグラ)で、黒Sによるダイヤモンド形のルントラウフを表現している。これ以上何を望めようか?

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