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G.Donatiプルーフゲーム傑作選(18)

(18)Gianni Donati (Probleemblad 01/1999)

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           Shotest Proof Game (16+13)
           b)Sb8→e5

a)1.g4 c6 2.g5 Qb6 3.g6 Qb3 4.axb3 a6 5.Ra4 a5 6.Rh4 a4 7.Rxh7 a3 8.Rxg7 a2 9.Rh7 a1=Q 10.Rh4 Qa5 11.Ra4 Qd8 12.Ra1

b)1.g3 a5 2.g4 Ra6 3.g5 Rb6 4.g6 Rb3 5.axb3 Sc6 6.Ra4 Se5 7.Rh4 a4 8.Rxh7 a3 9.Rxg7 a2 10.Rh7 a1=R 11.Rh4 Ra8 12.Ra4 c6 13.Ra1

 まずはa)から調べてみよう。b3の駒取りから、黒に成りがあったことは明らか。そして、成がa筋で起こったこともすぐに分かる。b3で取られた駒がQであると決め打ちすると、黒はQを捨ててから成ったQがd8に戻るまで9手、Pc6の一手を加えると全部で10手だ。では、黒のPg7/h7はどうやって取られたのだろう?
 初手から1.g4 h5 2.xh5 g6 3.xg6...と進めれば白は楽だが、これでは双方の手数に差があり過ぎる。白は盤面配置に4手かかるから、後6手くらいは自由にできることを考えると、Ra1を出動させるのが自然だろう。これだと8手かかるが、実際に駒を動かしてみると黒の5手目にtempo moveが入ることが分かり、これで帳尻があっている。
 b)ではSをe5に出してからでないとc6が突けないから、a)と同じ順だとまるまる2手遅れてしまう。しかし、a)ではQを捨てたのでb)ではRを捨てるのではないかと推測して(こういう予想ができるのがtwinの楽しいところだ)やってみると、確かに成立している!この順はa)+2.0=13.5より短いので、確かに最短解である。
 Q/RのPronkin themeもさることながら、a)では黒Pで、b)では白Pでそれぞれtempo moveが入るあたり、対照性に対する意識の高さは流石Donatiだと唸らされる。

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