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温故知新(詰パラ348号)

 今日は、詰パラ348号(昭和60年2月号)を読んでみることにしよう。まず、 4×4に収まった好形で手順もなかなかという、まさに表紙に最適の作品を引用しよう。

           田中 至

(詰パラ 昭和60年2月号表紙)

21と、同玉、22銀、12玉、13銀成、同玉、31角成、22金、12飛、同玉、
21角、23玉、32角成、同金、13飛迄15手詰。

 例の二枚飛車の筋を知っていても、13銀成-31角成はやりにくい。序の付け方も巧い。
 この年に、相馬宅で津軽の解答強豪である岩谷良雄氏にお会いした際、氏が本作を激賞していたことをふと思い出した。そうか、相馬君に会ってからもう30年もたつのか…。

 続いて、学校から2作。いずれも半期賞作だ。

           橋本 樹

(詰パラ 昭和60年2月号、半期賞)

35金、55玉、54銀成、同と、56香、同と、66龍、同と、37角まで9手詰。

 初手の掛け方が難しいが、35金が取れないことに気付けば筋が見えてくる。玉方の守備がと金二枚のみということもあり、55玉の後は単発の捨て駒を積み重ねるだけで詰に至るのが、作者にしては淡白な印象を受ける。

           飯田繁和

(詰パラ 昭和60年2月号、半期賞)

85角、同と寄、98香、イ97角、同香、同と、83角、95玉、87桂、同と、
94角成、同玉、96龍、同と、76馬、95玉、85馬迄17手詰。

イ96合は93銀成、95玉、87桂、同と、96香、同と、94成銀以下。

 98香に対する合駒でまず考えさせられるが、96合は変化イの通り。これを見ると97に対する合駒も角に決まる。(97歩合は93銀成、95玉、87桂、同と、96歩以下変化イと同様)
 この変化をきちんと読んだ者ほど、83角打という手がやりにくく感じる筈だ。解答者心理を計算し尽くした、重ね打ちの傑作。

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