私家版・短編名作選補遺(20)
(58)原田清実
(詰パラ 昭和59年11月号)
35飛、同銀、14飛、25玉、26歩、同銀、36銀迄7手詰。
45飛とすると35銀!以下同様に進み、26歩が打歩詰。この紛れを読んで初めて、初手の価値が分かる。「取らせ単打」のこれ以上ないほど簡潔な表現。
(59)市島啓樹
(将棋世界 平成5年12月号)
24桂、33玉、23角成、同玉、12角、33玉、32桂成、同玉、44桂、33玉、
23角成、同玉、24金迄13手詰。
角と桂を打っては捨てる、このリズムが非常に心地よい。構想派の作者だが、こういうのを手がけても、センスの良さが際立っている。私の大好きな作だ。
(60)田中 至
(詰パラ 昭和60年2月号)
21と、同玉、22銀、12玉、13銀成、同玉、31角成、22金、12飛、同玉、
21角、23玉、32角成、同金、13飛迄15手詰。
所謂二枚飛車の手筋だが、4×4の整った初形からの展開なのでかなり意外性がある。平均点92.63の高得点を叩き出し、見事表紙コンクールで年間1位となった。
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