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G.Donatiプルーフゲーム傑作選(19)

(19)Gianni Donati (Probleemblad 01/2000)

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           Proof Game in 14.5 moves (14+15)

1.Sf3 e5 2.Sd4 xd4 3.c3 d3 4.Qc2 xc2 5.d3 Se7 6.Bh6 g5 7.Sa3 Sg6 8.Rd1 c1=Q 9.Rg1 Qe3 10.Ra1 Qh3 11.xh3 Be7 12.Rg4 Rf8 13.Rd4 g4 14.Bc1 Bg5 15.Sb1

 まずは手数計算から始めよう。盤面配置を作るのに白は6手、黒は7手かかる。又、取られた駒は白がQSで、黒はPのみ。駒取りの位置がh3であることから、黒Pはプロモーションしていることがわかる。黒に残された手数は7手なので、Pはc1でQに成り、その後e3-h3(或いはh6-h3)と移動したに違いない。するとe筋のPがc1に辿り着くには2度の駒取りが必要だから、これでもう黒の手順のアウトラインはあらかた見えている。しかし、当然のことながら、話はこれで終わらない。というのも、放っておくとc1=Qの瞬間にチェックがかかってしまうではないか!これをどう防ぐのかが、本作のテーマである。
 すぐ思いつくのはKをc2-b3と一旦逃がしておく筋だが、これはQと干渉してしまい手数オーバー。(QとSを捨てるのに少なくとも3手かかるので、白にはもう6手しか残されていない)ここで黒Qの利きを遮断する駒としてRa1に思いが至るには、一寸した発想の飛躍が必要だろう。黒Pをc2に足止めした状態でBh6-Sd2-Rd1としてチェックを防ぎ、その後はいずれも綺麗にswitchbackする。(Switchback with RSB for screening)
 手順を成立させるための論理がpureなので、無駄な動きが全くない。非常に美しい作品。

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