見出し画像

G.Donatiプルーフゲーム傑作選(31)

(31)Gianni Donati (StrateGems 19, 2002)

画像1

           Proof Game in 16.0 moves(15+16)

1.a4 g5 2.a5 g4 3.Ra4 g3 4.Rg4 Bg7 5.f4 Bd4 6.Sf3 Bg1 7.d4 Bxh2 8.Qd3 Bg1 9.Rh6 Kf8 10.Rc6 e6 11.Qg6 Ke7 12.f5 Ke8 13.Bh6 Be3 14.Sg5 Bf4 15.e3 Bd6 16.Be2 Bf8

 白の盤面配置には16手かかるので、Ph2は不動のまま取られていることが分かる。では、Ph2を取った黒駒はどれなのか?白のRh1がh6-c6と動くまでは黒もe筋のPを突けないことを考えると、黒Qは可能性が殆どない。ということは、Bf8,Sg8,Rh8のいずれかであろう。一見Sが早そうだが、Rg4とKe1によって最短のルートは消されている。入り込むとするとf6-e4-d2-f1-h2というコースになるが、これは実際には無理である(何故か、理由を考えてみて下さい)。又Rを出動させるにはSも動かさねばならず、これも手間が掛かり過ぎる。となると、残りはBだ。後は実際に駒を動かすことで、BのRundlaufの経路を探し出せばよい。途中、Kによるtempo moveも気の利いた隠し味となっている。
 Bの長距離RundlaufにKのtriangulationを加味した一品。「易しいが、テーマは明快」というDonatiの特長が良く出た作品だと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?