プロパラを振り返る(41)
今日読んでいるのはプロパラ第21号。この号は表紙にあの頃大人気だったベッカムを使っているのだが、肖像権は大丈夫だったのだろうか?
(90) 高坂 研 (Problem Paradise 21, 2002)
H#2 (5+5)
b)Re3→e1, c)Sf2→d5
a)1.Rxg4 Se4 2.Kf3 Qh1#
b)1.Ra8 Sh3 2.Kh1 Qxa8#
c)1.Rxg3 Se3+ 2.Kh3 Qh8#
まずは自作。授業中にふと閃いたQの三方向への最遠移動を無理やり実現させたものだが、ヘルプの創作自体初めてだったのにtwinをすっとばしてtripletにチャレンジしたものだからさあ大変。CFMがなかったら、多分一生図化できなかっただろう。
いずれもR-S-K-Qの順に動かすなど3解を通じての統一性にも気を配った心算だったが、c)での余詰を防ぐためだけにPf5を配置せざるを得なかったことが今でも少し心残りである。
(91) Jean-Marc Loustau (Problem Paradise 21, 2002)
#3 (8+10)
1.Be2 (2.Rb5#)
1...Bxe2 2.Rd2 Rxd2/Bxd2 3.Se3/Sd4#
1...Rxe2 2.Se3+ Rxe3/Bxe3 3.Rf4/Rd5#
連続したNovotny(焦点への捨駒)によって、Grimshawを引き起こす。論理の連鎖があり、詰将棋でいう複合捨駒になっているのが好ましい。
(92) Toma Garai (Problem Paradise 21, 2002)
H#2 b)Sg5→a5 (6+8)
a)1.Qxd3 Rd2 2.Qc4 Be4#
b)1.Bxf5 Rh5 2.Be4 Sf4#
一寸見えにくいピンメイト。意味付けの純粋性という観点からみると、黒のQ/Bが白Rh2のラインを閉じていない方がいいような気がするがどうなのだろうか?
(93) 小林敏樹 (Problem Paradise 21, 2002)
H#2 2sols.(5+5)
1.Be6+ Kd6 2.Ke4 Bh7#
1.Re6 Sf4+ 2.Kc4 Rc8#
critical point(焦点)e6に始まり、大駒で遠くから睨み倒すピンメイトで終わる、非常に美しい作意順。対照性も完璧。H#2にこれ以上何を望めようか?
(平成24年10月31日記)
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