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G.Donatiプルーフゲーム傑作選(23)

(23)Gianni Donati (Probleemblad 03/1999)

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Proof Game in 7.0 moves (14+12)

1.Sa3 e6 2.Rb1 Bxa3 3.xa3 Se7 4.Rxb7 Sec6 5.Rxb8 Rxb8 6.a4 Rb3 7.xb3 Sb8

 白はRS、黒はRBSPが取られているが、駒取りの形跡は何も残っていない。こういう時は、いつもとは違ったアプローチが必要だ。つまり、双方の手に制限を加えているのは、7手という手数の短さそのものなのだ。例えば、すぐ思い浮かぶ筋は1.a4 e6 2.Sa3 Bxa3 3.Rxa3...というものだが、これは実は成立しない。というのは、白は7手中4手が駒取りであり、そうでない着手は3手しか許されない。だが、a4,Sa3の2手は駒取りではなく、この後のRb3とPb3の2手もまた駒取りではないからだ。しかし、2手目をRa3に替えても、その後の進展は芳しくない。しかし、果たして他にどんな序が考えられるのだろうか?
 ここで大事なのは、思い込みを捨てて、論理的にあり得るすべてのパターンを試してみることだ。それと同時に必要なのは、発想の飛躍。白Pのcross capureの可能性にさえ思い至ればしめたもの。これさえ閃けば、黒側のSのposition changeに気付くのにもさして時間はかからないだろう。

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