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楽しいレトロプロブレム(11)

(10) Raymond Smullyan (Manchester Guardian 1957)

白Kはどこにいるか?(1+3)

 この局面で白Kにもチェックがかかっていると、明らかにillegal。また、黒Kにチェックがかかっていないとすれば、白Kがb3にいなくてはなりませんが、これだと白Kに不可能両王手がかかっていることになります。従って、合法な局面にするには、白Kの開き王手によって黒Kにチェックをかけるしかありません。すると、直前の白の手はKがb3からc3に移動するしかありませんね。しかし、先程と同様に考えると、やはり白Kがb3にいる時点でillegalとなっているのではないでしょうか?
 ところが、これは可能なのです!つまり、黒Pb4が白Pc4をen passant captureすれば、この両王手が合法的にかけられます。そして、白Kはその黒Pを取って黒Kに逆王手をかけたという訳です。

 en passantをテーマとした作を、もう一つご覧に入れましょう。

(10-a) Nenad Petrovic
(Problem 21-22 03/1954, 1st/2nd Prize 4th Thematic Tourney)

最終6手は何か?(6+1)

作意はRetract: 1.Pd5xe6 e.p.+ Pe7-e5 2.Pd4-d5+ Ke6xPf6 3.Pe5xf6 e.p.+ Pf7-f5というもの。最初はともかく、完全に痕跡を消した2度目のen passantには驚かされますね。

(11) Michel Caillaud (Problemesis 1998, 4th Com.)

Proof Game in 11.5 moves (16+16)

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