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G.Donatiプルーフゲーム傑作選(12)

(12)Gianni Donati (Die Schwalbe 170 04/1998)

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           Proof Game in 12.0 moves (14+15)

1.Sc3 b5 2.Sd5 Ba6 3.Sxe7 Sxe7 4.e4 Sg6 5.e5 Bd6 6.e6 Kf8 7.e7+ Kg8 8.e8=S Bg3 9.Sd6 Qh4 10.Sf5 Qa4 11.Sd4 b4 12.Sde2 Bxe2

 黒の盤面配置を作るのにはちょうど12手かかる。よって、Pe7は不動のまま取られている。又、黒が自力で動かせる序はb5-Ba6の2手しかないから、白Sが3手かけて跳ねていってPe7を取ったこともすぐに分かる。この後もう白は何もせずとも最終局面を作れるのだが、残った手数は9手、つまり奇数手だ。白は残りの9手をどうやって消費すればいいのだろうか?
 tempoを失う為に使える駒は勿論Pしかない。そこから少し考えてみれば「このPが何かに成ってから黒駒に取られることで奇数手を消費する」という、作者の描いた筋書きが見えてくる筈だ。実際に手を進めてみると、Sに成るしかないのは自明(Q,Rだとチェックになるし、Bだと動きようがない)。後は一寸した試行錯誤により、成Sが初形位置だったe2に戻って黒Bに取られる筋を発見すれば幕となる(Ceriani-Frolkin with S for tempo move)。

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