見出し画像

G.Donatiプルーフゲーム傑作選(24)

(24)Gianni Donati(Probleemblad 03/1999)

画像1

           Proof Game in 5.5 moves (13+15)
           b)6.0

a)1.d4 Sh6 2.Sd2 Sf5 3.Sdf3 Sxd4 4.Kd2 Sxc2 5.Se1 Sxe1 6.Kxe1
b)1.c3 Sf6 2.c4 Se4 3.c5 Sxd2 4.c6 Sxb1 5.Rxb1 Sxc6 6.Ra1 Sb8

 a)の方は、白駒で黒Sを取るのが最終手になる。明らかに黒はSしか動かしていないので、前作よりずっと考え易い。5回黒Sを動かして、白のSb1, Pc2,Pd2の3枚を取ってみろというパズルだ。最後に黒Sが取られた枡の色は黒。即ち、a1,c1,e1,g1のいずれかである。すると黒Sは4手目に1段目にいてはいけない(つまり4...Sxb1はあり得ない)ということが分かる。最後に黒Sを取った白駒は2手動く(スイッチバックする)ので、白に残された手はあと4手。ここからは実際に盤面で黒Sを動かして、ああでもないこうでもないとやってみるのが正しいアプローチだろう。それにしても、Sb1を3手もかけてe1に運ぶのにはかなりの意外性がある。
 一方b)の方は、Sb8又はRh8が最終手だ。つまり、黒Sは4手しか動けない。するとこちらでも1.d4 Sf6 2.d5 Sxd5 3.c3 Sxc3...という展開が浮かんでくるが、これは4手目に白の手がなくて失敗する。c筋のPを使ってtempoを稼ぐことを思いつくには、やはり発想の飛躍が必要だ。
 短手数ながらどちらも十分な内容があり、こういう小品でもやはりDonatiは Donatiだなと納得させられる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?