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G.Donatiプルーフゲーム傑作選(34)

(34)Gianni Donati(Springaren 86, 09/2001)

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           Proof Game in 23.0 moves(15+11)

1.d4 Sc6 2.Kd2 Se5 3.Ke3 Sf3 4.exf3 Sf6 5.Bc4 Se4 6.Bd5 Sc5 7.c4 Sa6 8.Qa4 Sb8 9.Qc6 dxc6 10.Se2 Qd6 11.Sec3 Qg3 12.hxg3 Bf5 13.Rh6 Bc2 14.Rf6 Bb3 15.axb3 e6 16.Ra6 Bb4 17.Sa4 Bc3 18.xc3 0-0 19.Ba3 Kh8 20.Bxf8 c5 21.Rd6 Sc6 22.Rd8 Se7 23.Rc8 Sg8

 白の盤面配置には21手かかる。又、Qをc6に捨てるのに2手かかるから、全部で23手。白の手はこれで尽きている。一方、黒の取られた駒はQBBSRの5枚で、そのうち4枚がb3/c3/f3/g3で取られている。
 白の序はd4-Kd2-Ke3しかないので、これに応じて黒の方もSb8をf3に捨てる他ない。その後も白の手は殆ど自動的に決まってしまうが、その後の黒は白Qをc6に捨ててもらうまで指す手がない。(Pe6としてしまうと、後でBc8を出せなくなる)何しろPが動かせないのだから、残った駒はSg8しかない。ところがこのSが単にh6-g8を往復すればよいのかというと、そうは問屋が卸さない。このSは原形位置にいるとキャスリングの邪魔になり、h6にいると白Rがh6-f6と移動するときに取られてしまう。このSは、心ならずも一時この場所から遠ざからなければならないのだ。他の駒との干渉を考慮すると、b8に一旦避難させる筋に気付くのは容易だろう。後は黒の残りの4枚のうちどの3枚をどこに捨てるのか、試行錯誤しながら見つければよい。
 純粋に手を消費する為のSのlong Rundlauf。逆戻りを許さない白の巧妙な配置に、作者の高い創作技術を見る思いがする。

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