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温故知新(詰パラ386号)

 今日は詰パラ386号(昭和63年4月号)から作品紹介をしたいと思う。この号は短編がかなりの豊作。早速引用してみることにしよう。

           富沢岳史

(詰パラ 昭和63年4月号)

45金、同玉、56角、同玉、57金迄5手詰。

 右への遁走を止めているように見える金を捨てる初手に意外性を感じるかどうかだが…。盤面配置も8枚に抑え、超短編としては十分成功していると思う。

           仲西哲男

(詰パラ 昭和63年4月号、半期賞)

76金、96玉、87金、同玉、77金迄5手詰。

 冬眠から覚めた大ベテランによる、挨拶代わりの一局。久々の創作と思われるが、感覚が全く衰えていないのは流石だ。

           岡村孝雄

(詰パラ 昭和63年4月号)

53馬、44香、47金、同香成、26馬迄5手詰。

中合した駒を直後に動かす作品。勿論この筋は、5手が理論的最短だ。

           横山和久

(詰パラ 昭和63年4月号)

66桂、同馬、57飛、同角成、74飛成、55玉、44龍、同玉、45金迄9手詰。

 彼我の微妙な力関係によって成立する頭3手が巧妙。この序によって本作は、単なる手筋ものと一線を画している。

           小林敏樹

(詰パラ 昭和63年4月号、半期賞)

16香、25玉、61角、35玉、39角、44玉、35龍、同玉、17角迄9手詰。

 作者の意のままに盤面狭しと駆け巡る大駒が、強烈な印象を与える傑作。こういう作を死ぬまでに一作くらいは作ってみたいものだ。

           赤羽土地

(詰パラ 昭和63年4月号、半期賞)

19歩、27玉、38銀、同龍、37金、同と、54角、36と、48角、17玉、26飛成、同と、39角、同龍、18歩迄15手詰。

 26角の開き王手を自ら止めるような37金がかなり打ちにくい。一旦閉じたラインを54角によってもう一度こじ開け、最後は大駒2枚を捨て去って幕。配置・手順とも完璧。まさに理想的な短編と言えよう。

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