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楽しいレトロプロブレム(16)

(15) Michel Caillaud (Probleemblad 06/2000)

Proof Game in 7.0 moves (15+12)
2sols.

 なくなった駒は白がPのみで、黒はQSPPの4枚。また、黒の方は盤面配置だけで最低でも5手指しています。しばらく眺めていると、e筋の白Pが駒取りをしてからプロモーションし、最後にそれが黒に取られたというシナリオが見えてきますね。
 なるべく多く白Pで駒取りしようとすれば、e5-d6-c7-b8というルートが浮かんできます。この場合、Qd6で1手、またSd4がg8にいたものだとすれば3手かかりますから、手数もぴったりです。よって、最初の手順は1.e4 d5 2.e5 Qd6 3.xd6 Sh6 4.xc7 Sf5 5.xb8=Q Sd4 6.Qf4 Be6 7.Qxf7+ Bxf7となりますね。では、これと対になる手順はどういうものでしょう?

 白Pがe6-f7-g8と進んでg8のSを取るのは、途中でチェックがかかるので無理のようです。そうすると、やはりこの黒Sに出てきてもらう必要があります。黒Sd4がb8のものだった場合、黒には2手の猶予がありますから、g8にいた黒Sが取られた場所はd5に確定です。すると、白Pがd5-d6-c7-d8と進む順が浮かんできます。黒Sをd4で取る為に白Pはsingle stepする必要がありますが、d8でSに成ればf7へは1手で行けますので、ちゃんと帳尻が合っています。よって、2番目の手順は1.e3 Sf6 2.e4 Sd5 3.xd5 Sc6 4.d6 Sd4 5.xc7 d5 6.xd8=S Be6 7.Sxf7 Bxf7となります。
 白Pや黒Sの動きに対照性があり、短手数の複数解としては理想的な仕上がりと言えるでしょう。流石はCaillaudですね。

 このように、途中で成駒が発生したが、それが手順中に取られてしまっているというテーマをCeriani-Frolkin themeと呼びます。様々なバリエーションがあり、これまたProof Gameでは頻出のテーマです。

(16) Andrej N. Frolkin (Diagrammes 96, 01-03/1991)

合法な局面になるように大文字には白駒を、小文字には黒駒を
対応させよ。但し、同音の文字には同種の駒種が対応する。
b)g1⇔g3 (3+3)

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