見出し画像

LE COIN DU RETRO(12-1)

5、アンパッサン

(12) L.Dupin (Diagramme 1981, 3rd Prize)

画像1

           SHC#9 (6+11)

これは恐らく、普通のプロブレムの「古典的な」戦略に関係する、最も「超現実的な」策略を可能にする。このようなシリーズヘルプは一般的に、2つの部分に分割することができる。まず、en passantの局面を構成し、まさにその次の手で(retro-stalemateの場合を除いて)通常は詰に至る。(12)では、en passantは黒Kの周りをブロックする為に用いられている。そのモチーフは二重に表現されている!1.Se1! (1.Se3?だと、直前の白の手が存在しない) 2.Sxc2 3.Se3(直前の白の手はc2-c4)4.bxc3 e.p.! (直前の白の手はSc4-a5) 5.Sc4(直前の白の手はe2-e4)6.fxe3 e.p.!(直前の白の手はf4-f5又はe4xf5)7.Re7 8.Re4 9.Se5 Sxb3#. 


(13) M.Caillaud (The Problemist 1984, dedicated to C.LYTTON, 2nd Prize)

画像2

           SHC#29 (7+8)

 (13)では、b4が黒Kを詰めることのできる唯一の場所である。しかし、先に黒Pを移動する必要がある。1.Bc8!(1.Bxd5?ではダメである。何故なら、en passantをした後の白の手を残しておく必要があるからだ) 3.Bb1 4.h1=Q 5.Qxh4 6.Qe4! 10.h1=S 11.Sxf2 12.Sd3 14.f1=B 15.Bh3 17.Ba4 18.b5 21.Kd4 (直前の白の手はc4-c4) 22.bxc3 e.p.! (直前の白の手はc4xd5 ; 初手への註を参照のこと) 23.Kc5 24.Qb4 25.Qa5 26.Kb4 27.Sc5 28.Bd3 29.Bc4 dxc3#.

(14) G.Ycoubian, M.Caillaud (Diagrammes 1979)

画像3

           SHC#17 (5+9)

(14)では、白枡に黒Bを置く為にen passantが必要となる。1.Sa7! 2.Rb7! 3.Ba5!(これで白Kの石棺が作られた) 4.Rd2 5.Kf2 6.Qd1 7.Qh5! 9.Kg4! (直前の白の手はf2-f4) 10.exf3 e.p.! 11.f2 14.Ke1 (黒Kのswitchback) 15.Qd1 (黒Qのswitchback)16.e2 17.f1=B! Bxg3#.


6、“Consequent”のOrthodoxへの応用

(15) N.Plaksin, A.Kornilov(Rex Multiplex 1982, Commendation)

画像4

           SC#9 Circe, Monochrome Chess (6+8)

 語るべきことは限られている。何故なら、まだ殆ど作られていないからだ。(15)は、Consequentと他のルールとを組み合わせて作られた数少ない作品のうちの一つである。単解の中で3度のen passantを実現している。
黒の最終手はc7-c5+である。1.b5xc6 e.p.(Pc7) (直前の黒の手はe7-e5) 2.d5xe6 e.p.(Pe7) (直前の黒の手はd5xe4(Pe2)) 3.Rg8! 4.Rxe4 5.Rg4 6.e4 7.exf5 (Pf7) 8.exf7(直前の黒の手はg7-g5) 9.f5xg6 e.p.(Pg7)#.
 この領域は研究者にとって、情熱をもって探検すべき分野であることを、私は固く信じている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?