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温故知新(詰パラ400号-01)

 今日からしばらくは詰パラ400号(平成元年6月号)を読んでいこうと思っている。何といってもこの号の目玉は「詰将棋博覧会」だ。この頃柳原編集長は精力的にいくつも企画を打ち出しているが、これもそのうちの一つ(ちなみに、この前月には23年ぶりに全国大会を開催している)。編集長の熱意に応えるかのように作家もみな力作を投稿していて、かなりレベルの高い催しとなっている。

           岡村孝雄

(詰パラ 平成元年6月号)

44銀、同玉、55馬、35玉、46金、25玉、56馬、14玉、25龍、同玉、
47馬迄11手詰。

 赤羽氏の「66銀-65龍」を彷彿とさせる5手目~7手目の組み合わせには、短編作家らしい感覚がこもっている。序にもう一工夫できないかというのは、作者も散々考えたことだろう。

           小田垣誠

(詰パラ 平成元年6月号)

24桂、同歩、42飛、イ22飛、23金、同玉、43飛成、33銀、34金、12玉、13歩、同桂、23金、同玉、22馬、同玉、32飛、23玉、33飛成、同角、34銀、12玉、32龍、22合、23銀成迄25手詰。

イ金合は同馬、同角、23金、同玉、43飛成以下。

 この美しい初形が詰将棋になっているというだけで奇跡的なのに、手順もなかなかのもの。玉が12と23を往復することで、かすかに知恵の輪風の雰囲気すら感じられるのも面白い。

           関 呑舟

(詰パラ 平成元年6月号)

13飛成、21玉、24龍、11玉、15龍、21玉、26龍、11玉、17龍、イ12飛、23桂、21玉、31桂成、同玉、32金、同飛、同歩成、同玉、12龍、33玉、43飛、同玉、54馬、同銀、42龍迄25手詰。

イ21玉は54馬、同銀、28龍以下。

 龍鋸の意味付けは最も原始的なものだが、この後大駒二枚捨てのフィニッシュに結びつけたのがスゴイ。しかし、この作者としてはほんの手遊びといったところだろう。

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