楽しいレトロプロブレム(71)
(70) Wolfgang Dittmann (feenschach 1978, 1st HM)
白が取られた駒はQRRBBSSPの7枚で、黒はQRRSSPPPの8枚。白Pは全部で7枚、そして黒Pは全部で7枚駒取りをしている(黒Pa2はa筋のものではないことに注意!)。つまり、白側はあと1枚駒取りを残しており、一方黒側の駒取りは全てPによるものである。従って、黒Bがuncaptureすることはできない。このことを念頭に置いて、詰上がりを想定してみよう。
するとすぐに思い浮かぶ筋は、1.Ke2-e3 Bg2-f1+ 2.Kf1-e2 Bf3-g2+ 3.Bb7-b8 and 1.Bxf3#というものだが、これは2...Ba8-g2+!で逃れ(thematic try)。ということで、a8を埋める伏線工作が必要なのだ。このことさえ分かれば、その手段がK鋸であることに気付くのは容易い筈。作意は以下のようになる。
1.Kd3-e3! Bg2-f1+ 2.Ke4-d3 Bf1-g2+ 3.Ke5-e4 Bg1-h2+ 4.Kd4-e5 Bh2-g1
5-8.Kc5-d6-d5-c4-d4 Bh2-g1
9-12.Kb6-c7-c6-b5-c5 Bh2-g1
13-15.Kb8-b7-a6-b6 Bg1-h2+
16.Kb7xRb8! Ra8-b8
17-20.Kd6-c6-b5-b6-b7 Bg1-h2+
21-24.Ke5-d5-c4-c5-d6 Bg1-h2+
25-28.Kf4-e4-d3-d4-e5 Bg1-h2+
29.Ke3-f4 Bh2-g1+ 30.Ke2-e3 Bg2-f1+ 31.Kf1-e2 Bf3-g2+ 32.Bb7-c8 and 1.Bxf3#
(71) Olli Heimo (Suomen Tehtavaniekat 1997)