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私家版・短編名作選補遺(10)

           (28)植田尚宏

28 植田尚宏(11手詰)

          (近代将棋 昭和57年10月号)

53馬、42角、43桂、22玉、31銀、13玉、33飛、同角、22銀、同角、
35馬迄11手詰。

 7手目33飛が何とも気持ちの良い一手だ。合駒の角を2度も動かし、最後は透かし詰。まさしく熟練の技。

           (29)三谷郁夫

29 三谷郁夫(11手詰)

          (近代将棋 平成3年7月号 第78期塚田賞)

25桂、24玉、34飛、25玉、38飛、26玉、17銀、同玉、18香、27玉、
16角成迄11手詰。

 わざわざ玉を広い方へ追い出すような序には相当の不利感があるが、38飛(限定)と引いて17銀とすれば確かにぴったり捕まっている!既成の枠にとらわれない、作者の自由な感性が羨ましい。

           (30)中村雅哉

30 中村雅哉(17手詰)

          (詰パラ 平成15年11月号)

18金、同玉、28金、同玉、17銀、18玉、28金、19玉、18金、同玉、
19銀、同玉、28銀、同玉、19銀、同玉、17飛迄17手詰。

 初形で17金と19桂が邪魔駒。そして、19桂を消す為に置いた17銀もまた、役目を終えた後は邪魔駒となる。箱根細工のような繊細なパズルが、こんな狭い局面で実現できていることに、感嘆を禁じ得ない。

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