私家版・短編名作選補遺(19)
(55)森長宏明
(詰棋めいと 昭和59年6月号)
66飛、76桂、69玉、77桂、同銀、97玉、89桂迄7手詰。
初手69玉とすると68歩で逃れるが、76桂の逆王手を強制しておいて69玉とすれば68歩は打歩詰!所謂「逆打歩詰誘致」の一号局である。「打歩に取り憑かれた男」の異名を持つ作者による、オリジナリティ溢れる傑作。
(56)原田慎一
(詰パラ 平成24年9月号)
38金、同玉、29金、27玉、28金、同玉、47馬、27玉、28龍、同玉、
29飛迄11手詰。
初形で49金がいなければ、すぐに28金でよい。ところがこの金がいる為に、この奇妙に周りくどい手順が成立するのだ。感覚に訴える力があるという意味で、まさに正統派の短編。
(57)川西直哉
(将棋世界 平成19年6月号)
23金、14玉、13金、24玉、15角、同銀、23金、14玉、25銀、同と、
13金、同香、23角成迄13手詰。
狭い局面で展開されるミニ知恵の輪。明快な意味付けでカラクリのキーを設定したところに、作者の旨さを感じる。
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