見出し画像

G.Donatiプルーフゲーム傑作選(42)

(42)Gianni Donati(StrateGems 45 01-03/2009)

画像1

           Proof Game in 18.0 moves(14+13)

1.f4 Sa6 2.f5 Rb8 3.f6 gxf6 4.a4 Bh6 5.Ra3 Bf4 6.Rf3 Be5 7.Rf5 Bc3 8.dxc3 Sh6 9.Be3 0-0 10.Bxa7 b6 11.Sf3 Bb7 12.Se5 Bf3 13.Qd4 Bg4 14.Qg1 Bh3 15.xh3 Kh8 16.Bg2 Sg8 17.Ba8 Rxa8 18.Sc6 Sb8

 まずは手数計算をしてみよう。白は盤面配置に13手かかり、取られた駒はBPの2枚。一方、黒の盤面配置には6手かかっている。黒の無くなった駒はBBPであり、このうちa筋のPは成れないから、不動のままBに取られたと考えるのが自然だ。となると、残ったB2枚はそれぞれc3とh3で取られたことになる。これらのBにはそれぞれ4手かかるが、それでもまだ黒には4手の余裕がある。これは何を意味するのだろうか?
 もう一つの謎は「白Bがどこで誰に取られたのか」だ。f6で取られた駒はf筋の白Pであることが明らかだから、白の猶予はあと僅かに2手。この2手で白Bがどこかに行って取られたのか、それとも黒が4手使ってf1又はg2まで取りに来てくれるのだろうか?
 不思議なことはまだある。白の序はPf4-f5-f6に決まっているが、黒の序が見当たらないのだ。黒は最初の2手としてどう指したのだろうか?

 実はこれらの謎はお互いに関連しあっている。つまり、黒の序はSa6-Rb8であり、白はf1のBをa8に放り込んで消しているのだ!散々試行錯誤した後にこういう作者の構想が見えた瞬間が、解図の醍醐味というものであろう。黒のRとSはスイッチバックするので全部で4手かかり、これで全部帳尻があっている。細かい手順は実際に盤面に並べて確認すればよい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?