ぶっちゃけ障子紙の寿命は?張り替えの基準と破れにくい紙の選択肢

2023年11月26日 12:47

「また障子が破れた！」家庭でよくあるこの悩み、もう解決しませんか？障子紙が破れるたびに修理や交換に頭を悩ませることは、日常生活の中で意外とストレスになっています。しかし、適切な知識と方法を知っていれば、この小さなストレスから解放されることが可能です。

この記事を読めば、障子の破れやすさの原因を理解し、どのように対処すれば良いかの具体的な解決策が明らかになります。破れにくい障子紙の選び方から、正しい貼り方、さらにはおすすめの商品まで、あなたの障子問題を根本から解決します。

記事の終わりには、これからをもっと快適に過ごすための、障子のメンテナンスのコツも伝授！これであなたの家も、もっと快適な空間に変わるはずです。さあ、障子の新しい可能性を一緒に探りましょう。
最終更新日2024/8月

【執筆者】前田畳店　代表　前田昌俊・岩手県盛岡市で60年以上続き地元の皆様に愛され続けている前田畳店の二代目店主・畳、襖、障子、壁紙、網戸の張り替えと襖紙販売店『和紙屋』代表・現在登録者5000人の襖系Youtuber
・畳技能士資格、畳職人指導員資格と壁装技能資格を保有・『お客様への真心』が仕事の原点。これからもその信念を大切に貫く51歳

この記事のポイント

家庭での障子の破れやすさとその対処法
破れにくい障子紙の選び方と貼り方
破れにくい障子紙のおすすめ商品
障子のメンテナンスと長持ちさせるコツ

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■障子の寿命はどれだけ?破れの原因とは

障子の破れは、その繊細な構造に起因する家庭内の一般的な問題です。障子は、和室の美しさと機能性を兼ね備えた伝統的な要素であり、一般的に薄い紙が木枠に張られています。

障子紙を貼った事がある人ならわかると思いますが、正直、ただの紙と言えばただの紙です。それほど寿命が長いと思えない方がほとんどだと思います。

結論から言うと2年程度で張り替えをおすすめします。えっ!2年と驚かれるかも知れませんが、自分で張り替える事も出来るので、挑戦してみてください。

・障子紙の破れの原因とは?

障子紙の破れの原因について考えると、いくつかの要因が挙げられます。

まず一つ目は「日常の使用」です。障子紙は薄くて繊細な素材でできているため、日常の開け閉めや風による振動などの小さな衝撃が積み重なることで、徐々に弱くなり、やがて破れてしまうことがあります。特に、頻繁に使う部屋の障子は破れやすい傾向があります。

二つ目は「直射日光」です。障子紙は光を通す特徴がありますが、直射日光を長時間浴びると、紙が乾燥してしまい、脆くなります。これが原因で小さな衝撃でも簡単に破れてしまうことがあります。

三つ目は「湿気」です。障子紙は紙製品なので、湿気を吸うと膨張し、乾燥すると縮むという性質があります。この繰り返しが障子紙にストレスを与え、破れやすくする要因となります。特に梅雨の季節や湿度の高い場所では注意が必要です。

最後に、「誤って手や物が当たること」もよくある原因です。特に小さな子供やペットがいる家庭では、遊びや不注意で障子に当たってしまうことが多く、破れの原因となりがちです。

これらの原因を理解し、適切なメンテナンスや取り扱いを行うことで、障子紙の寿命を延ばすことが可能です。

あたりまえの事ばかりですが、この原因が組み合わさる事により「あれ?なんで穴が開いたんだ?」なってしまいます。小さいいたずらっ子がお宅にいない場合には直射日光の経年劣化によって、特に日当たりの良い南側の窓の障子紙は破れる事が私の経験上多いです。

もし、障子紙が剥がれてたり破れたりして、今度は自分で張り替えてみようと思った時のために障子紙の種類について解説したいと思います。

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・障子紙のタイプいろいろ

障子紙にはいくつかの異なるタイプが存在し、その特性と用途に応じて選ばれます。ここでは、一般的に使用される主な障子紙の種類について紹介します。

伝統的な和紙 - このタイプの障子紙は、楮や雁皮などの天然素材から作られ、手漉きの技術で製造されます。天然の素材を使用しているため、風合いが豊かで自然な美しさがあります。
強化和紙 - 従来の和紙に比べて耐久性に優れています。極薄の紙を樹脂で挟み込むことで、破れにくく長持ちするのが特徴です。最初の方でAmazonの商品として紹介した『タフトップ』などがそれにあたります。
混抄障子紙 - パルプに天然繊維や化学繊維を混合して作られた障子紙で、強度や光沢を加えたものです。これにより、紙自体の耐久性が向上し、多様な用途で使えるようになります。
プラスチック製障子紙 - プラスチック素材で作られており、水や汚れに強いため、メンテナンスが容易です。また、耐久性が高いため、頻繁な交換の必要がありません。この章の見出し上で紹介しているアサヒペンのプラスチック障子紙がこれにあたります。

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これらの障子紙は、それぞれに特有の特性を持っており、部屋の用途や雰囲気、保守の手間などを考慮して選ぶことが重要です。美しさだけでなく機能性を考慮した障子紙選びが、より快適な空間作りにつながります。

この紙の繊細さが、障子の魅力であると同時に、破れやすさの主な原因でもあります。普及している障子紙の多くは、自然光を柔らかく取り入れることができる一方で、物理的な強度は低いのが特徴です。

一般的に売られている普通紙がそれにあたりますが、張り替えるのが容易と言う事を考えれば、それはそれで定期的に貼り替えれば新鮮な気持ちでいられますし、全然ありかなとは思います。

・ちょっと休憩、まずは障子の豆知識

少し話はズレますが、少し休憩して障子の歴史などに触れてみたいと思います。

障子の普及に関しては、その歴史は非常に古く、日本の伝統的な住宅構造の中で重要な役割を果たしてきました。和室の雰囲気を高めるだけでなく、自然な光を取り入れることで、室内の明るさを保つとともに、プライバシーを守る役割も担っています。

障子は、日本の伝統的な建具であり、その起源は奈良時代に遡りますが、平安時代後期には貴族社会で広く使用されるようになりました。この時代には、空間を区切るためにカーテンのような形状の障子が使われていました。

その後、木枠に紙や布を張ったパネル式の障子へと進化し、江戸時代には一般庶民の間にも普及しました。

障子の設計や素材は時代と共に変化してきました。伝統的な和紙を使用したものから、現代的な素材を取り入れたものまで、多様なバリエーションが存在します。

現在でも、その機能性や美しさから、多くの住宅や公共の建築に採用されています。障子は室内の光の調節、プライバシー保護、そして装飾的な要素としての役割を果たしており、日本建築の魅力的な特徴の一つとされています。

障子の使い方や楽しみ方も時代と共に変わり、現代では伝統的なスタイルを維持しつつ、より多様なデザインや機能が求められるようになっています。障子紙の張り替えは、その表情を大きく変えることができ、部屋の雰囲気を一新する手軽な方法としても人気があります。

しかし、現代の住宅では西洋式の窓や扉が主流となりつつあり、障子を取り入れる家庭は減少傾向にあります。それでも、その美しさや機能性から、多くの人々に愛され続けています。

■家庭での障子の破れやすさ/寿命を延ばす方法

なかなか障子の寿命を延ばすと言うのは難しいとは思いますが、障子の破れを防ぐためには、まずは日常の使い方に注意を払うことが重要です。

例えば、障子の開閉時は優しく扱う、子どもやペットが障子に触れないようにするなどの工夫が挙げられます。

また、障子の破れやすさには環境要因も関係しており、湿気の多い場所では障子紙が弱くなりやすいので、部屋の換気を心がけることも有効です。

あとは直射日光を避けられるのであれば避けると言う事です。
出窓の中には障子の外側にカーテンをつけていらっしゃる設計のお家もあります。カーテンを閉めて内側に障子の位置であれば必然直射日光は避けられるので、どうしてもと言う方はカーテンレールを出窓の障子の外側に設置して、カーテンを使えるようにしたら良いと思います。

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・破れにくい障子紙の選び方

普通の障子紙よりやっぱり破れにくい障子紙がいい!と言った方にいくつかのポイントを解説します。

破れにくい障子紙を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。まず、素材の選択が重要です。伝統的な障子紙は木材パルプから作られていますが、最近では耐久性に優れた合成繊維や強化和紙が使われることもあります。

これらの現代的な素材は、水に強く、破れにくい特性を持ち合わせています。また、特殊な加工が施された障子紙は、紫外線やカビから障子を守る効果もあります。

一般的に「破裂強度」と言う言い方をします。普通の障子紙に対して破れにくい障子紙は3～5倍の破裂強度があります。爪を立てなければなかなか穴を開けようと思っても開けられません。ただ尖った鉛筆の先などには弱いので尖ったものだけは注意です。

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次に、障子紙の厚みにも注目しましょう。一般的な障子紙よりも厚手のものは、その分耐久性に優れています。

しかし、厚みがあると透明度が低下するため、光の取り入れ方に影響が出ることも考慮する必要があります。使用する部屋の光の状態やプライバシーのニーズに合わせて、適切な厚みの障子紙を選ぶことが重要です。

ただしこのタフトップは光の入り方や質感もほぼ普通の障子紙と見た目は同じで、われわれプロも見分けが付きづらい仕上がりとなっています。

また、障子紙の質感や色も選択の際の重要な要素です。和室の雰囲気を左右するため、部屋のインテリアや好みに合わせて選ぶことが望ましいです。

市場には様々なデザインや色の障子紙があり、伝統的なものからモダンなデザインまで幅広い選択肢があります。耐久性と美観を両立させた障子紙を選ぶことで、和室の美しさを保ちながら、破れの問題を減らすことができます。

・破れにくい障子紙の貼り方

少し、障子紙の張り替え方法のポイントを紹介しましょう。

破れにくい障子紙の効果を最大限に活かすためには、正しい貼り方をマスターすることが重要です。

まず、障子枠を清掃し、古い障子紙を丁寧に取り除きます。次に、新しい障子紙を障子枠に合わせてカットし、隅々までしっかりと貼り付けます。

貼り付ける際は、障子紙がたるまないように注意し、均等にのりを塗っていきます。のりは障子紙の種類に合わせて選ぶことが大切です。水性のりは伝統的な障子紙に適しており、合成繊維製の障子紙には専用の強力な接着剤を使用することが推奨されます。

貼り付けた後は、障子紙が乾くまで十分に時間をかけ、乾燥を急がないことが重要です。乾燥が不十分だと障子紙が縮んだり、波打ったりする原因となります。

また、気温や湿度によって乾燥時間は異なるため、環境を考慮して貼り付ける時期を選ぶことも大切です。このプロセスを丁寧に行うことで、障子紙の寿命を延ばし、美しい仕上がりを実現できます。

気を付けるのは糊と乾いた後の霧吹きです。とにかく乾いた後に突っ張りやすい性質をもっていますので、剥がれる事が多くのトラブルとなります。

ただしそこをきっちり抑えれば、とても素晴らしい商品ゆえ、ぜひ張り替えにチャレンジしてください。詳しい事は私のこの動画で解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

・寿命を延ばす破れにくい障子紙のおすすめ

タフトップに限らず、市場にはさまざまな破れにくい障子紙がありますが、ここでは特におすすめの商品をいくつか紹介します。

強化和紙製障子紙:
伝統的な和紙の風合いを保ちつつ、特殊な加工を施すことで耐久性を高めた障子紙です。水や汚れに強く、日常の使用に耐えうる強度を備えています。また、美しい透け感も特徴の一つです。
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撥水加工障子紙:
撥水加工が施されているため、水滴や湿気によるダメージを軽減します。特に、台所や浴室近くの障子に適しており、長期間にわたって美しさを保つことができます。
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合成繊維製障子紙:
従来の和紙よりも強度が高く、破れにくいのが特徴です。ペットや小さな子どもがいる家庭にも最適です。さらに、カラーバリエーションが豊富で、インテリアに合わせやすいのも魅力です。

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UVカット障子紙:
紫外線をカットする機能を持った障子紙で、室内の家具や床材の色あせを防ぎます。また、日焼け対策としても効果的で、長時間の使用に耐える耐久性も備えています。
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これらの商品は、耐久性、美観、機能性を兼ね備えており、障子の破れ問題を解決するのに役立ちます。選ぶ際は、障子が設置される部屋の環境やインテリアとの調和を考慮してください。これらの商品はオンラインで簡単に購入でき、入手可能です。

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■障子のメンテナンスと長持ちさせるコツの復習

障子の寿命を延ばすためには、適切なメンテナンスが欠かせません。この章は先ほどと内容がかぶる事もありますが、ざっとおさらいしてみましょう。

まず、定期的な清掃を行い、障子紙に付着したホコリや汚れを優しく拭き取ることが大切です。

障子紙は繊細なので、硬いブラシや強い力を避け、柔らかい布を使うことが推奨されます。また、障子紙が湿気を吸収しやすいため、湿度が高い時期は特に注意が必要です。除湿器を使用するか、定期的に換気を行うことで、湿気によるダメージを防ぐことができます。

さらに、障子の木枠もメンテナンスが必要です。木枠が歪んでいると、障子紙への負担が増え、破れの原因となります。

年に一度は木枠の状態をチェックし、必要に応じて修理や調整を行います。また、障子を長持ちさせるためには、破れた障子紙は早めに交換することも重要です。破れたままにしておくと、障子の他の部分にも影響を及ぼす可能性があります。

・障子の破れを修理する方法

障子が破れてしまった場合、その修理方法は破れの大きさや位置によって異なりますが、基本的な手順は以下の通りです。

小さな破れの場合: 小さな破れは、障子専用の修理テープを使用して簡単に修理できます。このテープは透明で目立ちにくく、貼るだけで破れを補強することができます。修理箇所を清潔にし、テープを破れに沿って貼り、余分な部分をカットするだけで修理完了です。
大きな破れの場合: 大きな破れや穴が開いている場合は、障子紙を全面的に張り替える必要があります。古い障子紙を丁寧に取り除き、新しい障子紙をカットして貼り付けます。この際、障子紙に均等にのりを塗り、障子枠にしっかりと貼り付けることが大切です。障子紙を貼る際は、気泡やしわが入らないように注意しましょう。
破れの予防と対策: 破れを修理した後は、再発を防ぐための対策を講じることが重要です。障子に直接触れることを避け、特にペットや子供がいる家庭では、障子に触れないように対策をとることが望ましいです。また、障子紙の耐久性を高めるために、定期的なメンテナンスを行うことも効果的です。

障子の修理は、日本の伝統的な美を守るためにも重要です。小さな破れであれば自分で修理できますが、大きな修理が必要な場合や、完璧な仕上がりを求める場合は、専門の業者に依頼することをお勧めします。

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