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DUNEインペリウムの基本戦略

はじめに

「DUNEインペリウム」というボードゲームがめちゃくちゃ面白い。
デッキ構築とワーカープレイスメントを組み合わせたゲームシステムをしているのだが、両者のシステムが見事に融合しており、絶妙なジレンマと戦略性を生んでいる。使うヒーローや周囲のプレイングでゲーム展開が大きく変わるため、リプレイ性も非常に高い。本作は30回ほどプレイしたが、まだまだ遊び尽くせないほど奥深くて面白いゲームだ。
プレイ人口をもっと増やしたいので、初心者がステップアップするのための攻略記事を作成した。まだまだ研究途上ではあるが、本記事がプレイの参考になれば幸いだ。
※基本+イックスの新興の4人プレイを前提とした記事になります。


■ゲームレンジと得点プラン

殆どのゲームは7~8R(ラウンド)で終わる。
勝つためには上記Rまでに10点(4人戦なら開始時の1点除いて9点)取るプランが必要だ。
10点の内訳としては、派閥点(各派閥の影響力が2になると貰える点)4点・同盟1点はほぼ必須で、残りの点の取り方はかなり自由度が高いが、紛争で2~3点、スパマス(スパイスマストフロー)で1~2点というパターンが多い。
まずは最も基本的な得点源である派閥点と同盟の考え方を説明する。

派閥点

他の点数源と比べ競争要素が少なく確実かつ簡単に得点できるため、よほどのことがない限り4派閥すべて取得する。
これだけでも毎ターン1以上のペースで影響力を上げる必要がある。
そのため、デッキに影響力を上げるカード(派閥マスに入れる、または効果で直接影響力が上がる)が最低でも2~3枚は欲しい。取れていない場合は、優先的に購入したい。派閥マスに入れるカードは、効果が弱かったとしても、影響力に触れるというだけでかなり強い。
逆に影響力を上げるカードが取れていないまま、影響力に触れないカードを増やしすぎると、影響力が全く上がらずに負けやすいので注意する。
例えば、「アラキス連絡員」をドミニオンの銀貨感覚で序盤から大量購入するのは、典型的な負けパターンだ。
また、帝国カードのパワーにはかなりの幅があるため、中途半端なカードを買うよりも購入をパスした方が良い場面は多い。

同盟

同盟が売れ残ったままゲームが終わることはまずない。単純計算で1人1個分はあるので、1個は取りたい。自分が取れない場合は他人の点がその分伸びるので、点数を捲るのが大変になる。
同盟は同値では奪い返せない上に、基本的に影響力は1ずつしか上がらないため、後追いがかなり難しい。そのため、全派閥の影響力を2に上げることを目指すよりも先に、1つの派閥を伸ばして最低1つは同盟を確保する方が良い
特に2影響力でボーナスがない「ベネ・ゲセリット(紫派閥)」と「皇帝(黒派閥)」は、同盟を目指さないのであれば後回しにして問題ない。

■序盤(1~2R)のプレイ指針

序盤は「星間輸送(2輸送)」マスの開放と「道場(増員)」を目指す。
3ラウンド目までにはどちらかを達成したい。2ラウンド目までに達成できれば、かなり1位に近づく。

①「星間輸送」の開放

増員はしなくても勝つことがあるが、「星間輸送」は強力すぎる(普通のマスの倍くらいのリソース効率)ので、開放せずに勝つのは困難だ。
開放が遅れるほど、自分の打つ機会が減るだけでなく、他人の打つ機会も増えて格差が広がり続けるので、「星間輸送」の開放速度は勝敗に直結する。
「宇宙航路(空間転移を取得)」マスは一見弱そうだが、「星間輸送」の開放までは初手級のマスである。
同様に、「宇宙協会(赤派閥)」の影響力を上げるカードや紛争は優先して確保したい。
輸送する際は、特に強力な2段目の効果を主に使う。

②増員

一般的なワーカープレイスメントと同様、手数が1.5倍になるため増員は当然強い。一方で、派閥マスに入るカードが十分にないと、ワーカーがあっても入るマスがない状態に陥りやすく、増員のメリットを活かしづらい点には注意が必要だ。
道場に入るための8ソラリの確保においては、紛争報酬で大量のソラリが入手できた場合などを除き、輸送1段目の5ソラリがほぼ必須だ。残りを「密輸(1輸送1ソラリ)」マスの1ソラリ、「補助金(2ソラリ)」マス、「輸送1段目の配布1ソラリ」あたりから組み合わせて狙う。
しかし輸送がほぼ必須な都合上、当然「密輸」は大人気になるため、なかなか2回目を踏めず足踏みしやすい。ここで「星間輸送」が開放されていると、1手で輸送1段目を起動できるため、かなりの手番圧縮ができる。そのため、「星間輸送」開放と増員では前者の方がやや優先度が高い。
3R目辺りからは各プレイヤーが次々と8ソラリの準備を終えるため、今度は「道場」マスの奪い合いが激しくなる。最低限自分がスタートプレイヤーとなるRまでにはソラリの準備を終えたい。
また、上家の準備が終わっていないようであれば、前R中に準備を終え、初手で道場を掻っ攫うのも有効だ。他人のソラリの所持状況は常に注意すると良い。

■中盤(3~5R)のプレイ指針

序盤でのスタートダッシュに成功していれば、リソースが潤沢になっているはずだ。
中盤ではこれらのリソースを活かし、他人と競争要素のある得点(同盟、紛争)の確保を目指していく。

①同盟を狙う派閥を決め、1同盟確保を目指す

同盟先については、素直に自分が上げやすい(既に他人より先行している、該当の影響力を上げるカードを持っている等)派閥を選べば良い。
同盟の確保において最も避けたいのが他人とのバッティングだ。同じ同盟を求めて他人と泥沼の争いになると共倒れし易いので、早々に同盟を1つ確保し、他人と影響力差をつけて後追いを諦めさせることが重要となる。他人の影響力が2以下の状況で同盟を確保すれば、よほどの事情がない限り他人は別の派閥で同盟を目指してくれるだろう。
なお、2同盟を同時進行で狙うのは余程影響力に余裕がない限り、どっちつかずになることが多い。狙うにしても、まずは片方を安全圏まで伸ばしてから2つ目の同盟を狙うと良い。

②VPがもらえる紛争で勝つ

期待値的には1~6Rで2~3枚は1VPの紛争がめくれる。できればこの内1枚は確保したい。
一方で中盤の紛争にリソースを注ぎすぎて息切れしてしまうのも本末転倒だ。
中盤の紛争でどれだけリソースをつぎ込むかについては、他人との読み合い要素もあるので明確な答えを出すのは難しいが、2VPの紛争が解禁される7Rの手番順は、一つの判断基準になる。
7Rで早い手番順のプレイヤーは、「ハイライナー(6スパイスで5進軍+2水)」などの紛争で有用なマスに優先的に入れるため、2VPの紛争に勝ちやすい。後により大きな勝負所が控えているので、中盤の紛争はリソースを温存するのも手だ。
逆に7Rで後手番のプレイヤーは、終盤の紛争は勝ちづらい。特別な算段がなければ、戦力は中盤に割いた方がリターンを得やすいだろう。

また、紛争で勝ちに行く際、競った末に相手の戦力を見誤って僅差で負けるのだけは避けたい。
相手との戦力差を見積もる上では、以下の点に注意する。

・相手が残り手番でどの進軍マスに入れるか
 特に「ハイライナー」、「極地戦部隊(1水で2進軍)」は要ケア

・説得力の行使で上がる戦力
 相手が買った戦力が上がるカードはできるだけ覚えておくこと

・策謀
 記事の最後に策謀一覧があるので、それを参考に期待値を考える

最高議会について

ゲームは7~8Rで終わるため、圧縮や強力なドロー等なしで普通にプレイすると、デッキは3~4順程度しかしない。3R以降に購入する帝国カードは序盤に購入するカードと比べて半分くらい(1~2回)しかプレイ機会がないため、勝敗への影響はかなり小さい。
また、弱い帝国カードは売れ残り、場を占有し続けるため、中盤以降は有用なカードが場に並びにくい。
そのため、中盤の帝国カード購入を目的に最高議会に入っても、あまりリターンを得られない事が多い。
最高議会は終盤のスパマス購入に向けたサポートとしての色合いが強く、それほど急いで入る必要はない。最高議会に入らず勝つパターンも一定数あり、「星間輸送」や増員と比べると必須感は薄い。

技術タイルについて

中盤から手が届き始めるが、獲得コストに見合わないものが多く、慣れない内は無視してしまっても構わない。実際、技術タイルを全く買わずに勝つゲームはかなり多い。
気になる場合は、使いやすくて強力な以下のタイルを覚えておく程度でも十分だろう。

・禁止兵器
 4スパイス。最高議会があれば紛争時+4戦力
 →発動できれば虚空から戦力が湧き続けるのでかなり強力。
  1部隊出すだけでもかなりの圧力をかけられる。
  最高議会に入る前に買っても良い。

・ホルツマンエンジン
 6スパイス。R開始時1ドロー。スパマス2枚以上で1VP
 →開始時効果、VPどちらも強い。効果もシナジーしている

・立体投影機
 3スパイス。各R中に1回、手札を1枚捨てて1ドロー
 →解放カード(捨札/破棄時にも説得時効果が発動するカード)を所持していると強力

■終盤(6R~)のプレイ指針

7R以降の紛争報酬が大きいため、基本的には紛争に向けた準備(「ハイライナー」の6スパイス確保、駐屯地の部隊を増やす等)を行う。
手番順やリソースの都合で紛争の勝ち目がない場合は、同盟奪取やスパマス購入などを狙い、10点を目指していく。
ゲーム終了時期は、トップのプレイヤーが7Rの紛争に勝つと7Rで終了、他プレイヤーが紛争に勝利したり同盟を奪取したりしてトップを止めると8Rが訪れるイメージだ。

①資源を確保して強力なマスに入る

7R以降は次のRがない可能性が高く、リソースを温存する意味は殆どない。そのため、大量のリソースをVPに変換できる「ハイライナー」や「研究所(2水で3ドロー)」マスは奪い合いになる。
上家がR開始時に6スパイス/2水を用意できるか注視し、自分の手番まで回って来そうなマスに応じた資源を前R中に用意したい。

②説得力の出力を高めてスパマスを買う

終盤ではデッキの説得力の出力を高め、スパマス購入を狙うことも重要だ。
終盤では次のRがない=資源を得る価値が大幅に低下することや、輸送や影響力の端数が意味をなさないことから、ワーカーやカードを有効活用するのが難しくなる。初手のアクション以外は得点行動がない、なんてことも珍しくない。
そのため、終盤ではスパマスでの得点が序中盤に比べて重要になる。デッキの最後の1順に向けて、アラキス連絡員などの金出力の高いカードを増やして、スパマスの購入を安定させるのは効果的な戦略だ。
但し、紛争で勝ちに行く場合は、進軍マスを沢山踏む必要がある都合上、ドローや手番パスがしづらく、スパマス購入と両立できないことが多い。自分が「ハイライナー」に入る算段がある場合など、紛争をやる意思が明確ならば、金出力は意識せずに、戦力カードや進軍マスに入るカードの密度を維持するのも手だ。

③同盟を奪う

7Rで10点取る算段がないのであれば、トップ目を止めて8Rへの突入を狙う必要がある。
妨害手段としては紛争を勝たせないのが手っ取り早いが、同盟の奪取も有効な手段だ。同盟は後追いが難しいと説明したが、終盤の紛争に手を出すと同盟の維持まで手が回らないことが多く、付け入りやすい。
トップから同盟を奪えば2点差を埋めることができるので、チャンスがあれば狙っていきたい。

■指揮官Tier

同ランク内は左側がより上位。SとAはさほど差がなく、AとBの間に大きな壁がある。

S
ハルコンネン

能力で影響力が上がるため「星間輸送」の開放が早い。
常在能力は宇宙協会(赤)とフレーメン(青)を選択。2R目までに「極地戦部隊(1水で2進軍)」から4進軍→常在能力起動と「宇宙航路」を踏んで、爆速で「星間輸送」を開放するのが定番。「タブルのシーチ(1水取得)」もセットで開放されるので初動がめちゃくちゃ強い。

ハンドロ・モリタニ
「密輸(1輸送1ソラリ)」と指輪効果で輸送1段目を起動し、「補助金(2ソラリ取得)」と合わせて2R目に増員する動きが非常に強い。
上記を抜きにしても能力のスペックが高い。

ヴェルニウス
能力で影響力が上がるため「星間輸送」の開放が早い。
適当な派閥マス→指輪で赤派閥に変換と「宇宙航路」で2Rに開放できる。
初動は遅いが、ゲーム全体で得られるリソース量が多い。

A
レト・アトレイデ
能力で影響力が上がるため「星間輸送」の開放が早い。
序盤の1スパイスが地味に重かったり、影響力の先行者が必要な点が少し使いづらいが、終盤まで有用なのは偉い。

ラッバン
序盤の紛争に強く、拡大再生産のスタートダッシュを決めやすい。
序盤の紛争報酬の内容次第で出力がブレる印象。

アルマンド・エカツ、ヘレナ・リチェス
3・4番手の時に取る。能力で帝国カードに先に触れるため、後手番の不利を大きく緩和できる。特に4番手ならTierSキャラよりも間違いなくこちらを取った方が良い。

B

ユナ・モリタニ、イルバン・リチェス
能力でソラリがもらえるので増員し易い

C以下は有象無象なので割愛

■強い帝国カード

主要カードだけ紹介する。ここにないカードが全てゴミという訳では無い。

解放カード全般
妙に購入コストが低いので弱そうに見えるかもしれないが、「イックス協会小型船(説得/捨札/破棄時に技術交渉2)」以外は捨札/破棄誘発抜きにしてもカードパワーがイカれている(高コスト帯のカードと同等以上のパワー)。概ね見たら買って良い。

圧縮カード全般
1~2R目で取れるならかなり強い。デッキ2順目以降でも悪くはないが、絶対欲しいというほどではない。

裏切り(3コスト。2スパイスで1影響力下げて2影響力アップ)
任意の影響力を上げられる時点で偉いのに、一気に2影響力上がるので同盟を奪取し易い。他の2影響力UPカードは全て使い捨てだが、なぜかこれだけは何度も使えてしまうので極悪。

ガン・ソプター
(4コスト。相手の1部隊帰投。説得力行使時:1進軍+3戦力)
説得力の行使で見せるだけで紛争に参加できるので、奇襲性が高く、進軍マスを踏む手番も圧縮できる。戦力上昇値もトップクラス。

豪奢(6コスト。説得力行使時に1説得力+6ソラリで1VP)
中盤以降に余りやすいソラリをVPに変換できるのが強力。
1点取るだけでも十分強い。

CHOAM理事長(8コスト。購入時に全派閥の影響力1アップ)
影響力が上がるカードは強いと述べたが、ワーカー消費無しで合計4アップは破格。1枚で影響力足りない問題を解決してくれる。
購入した瞬間に発動するため、いつ買っても強い。

クイサッツ・ハデラッハ(8コスト。自ワーカーを任意マスに再配置)
ワーカーが増えるだけで強いのに、なぜかマスの割り込みや1ドローまでついてくる。カード使用時の効果は間違いなく最強。但し、手番パスなどの無理をして買うなら、あと何回使えるか(元が取れるか)は考えること。

影響力が上がるカード全般
一定枚数ないと死ぬため、優先して確保する。とはいえ、上述の壊れカード郡よりは枚数があるため、そちらを優先してよい。

■策謀の内訳

自分用のメモなので読み方は雰囲気で察してください。

おまけ
帝国カード103枚中、ベネ・ゲゼリットは25枚、フレーメンは19枚

おわりに

ここまでお読みいただきありがとうございました。
冒頭にも述べた通り、筆者も研究途上のため、より強いプレイングもまだまだあると思う。
記事の内容で気になることがあれば、ぜひ自分でも試行錯誤してみてほしい。
これを機に本作の深みにハマるプレイヤーが増えれば幸いだ。


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