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1000円そこらの激安HDMIキャプチャーボードは買うべきか、買わぬべきか

HDMIの映像をパソコンで録画するために必要な機器として、キャプチャーボード(キャプボ)というものがあります。主にゲーム機の画面を取り込んで実況/配信に使用したり、一眼レフやビデオカメラと接続してWebカメラ代わりにするといった用途で使用されます。

そんなキャプチャーボードですが、従来であれば1万円~3万円程度とそこそこの出資が必要でした。しかし近年では1000円台の製品群が登場し、私はなんと368円で購入することができてしまいました。そちらの購入レビューや使用感については別記事で紹介しています。

もちろんこの安さには理由があり、高価格帯の製品との差となるポイントは大きく分けると3つあります。

・内部で720pへのダウンスケーリングが行われている
・使用されている映像フォーマットがMJPEGである
・パススルー機能が搭載されていない

このあたりを加味した上で、この激安キャプチャーボードはどのような人におすすめできるのか、買うべきか買わぬべきかを話していきたいと思います。


カメラと接続してWebカメラ代わりにするパターン

HDMI出力可能なカメラと接続し、Webカメラ代わりに利用するパターンです。このパターンであれば極端に画質を求めない限り激安キャプボはおすすめできます。

Webカメラ用途であれば遅延は全く問題ない範囲であり、無遅延映像をモニタリングする必要もないためパススルー機能は不要です。

また画質については、Web会議用途であればキャプボの差以前にそもそも画質が悪くなるので全く問題ありません。ゲーム実況等の手元用や顔ワイプ用であれば、映像を縮小するためこちらも全く問題ないはずです。

唯一この激安キャプボを選ばない方がいいケースがあるとすれば、顔出しYouTuber等で画質に対して大きなこだわりを持つケースです。そんな人はわざわざこれを買ったりしないと思いますし本体で録画しろって話ですが。

まぁPC上で録画できた方が動画形式も自由にできるし楽・・・というコアな考え方もあるかもしれないので、そういう方にはこちらがおすすめです。

きっちり1080p60fpsないし4K30fpsでの録画に対応していますし、映像フォーマットもYUY2で録画できる(はず)です。パススルー機能付きの製品にも手が届きそうな価格なので、完全にWebカメラ化専用でゲームには使わない・すっきり接続したい人向けの製品です。


ゲーム実況用途

個人的な印象ではキャプチャーボードの購入=ゲーム実況というイメージがあります。実況と一纏めにしていますが声なしのプレーンなゲーム動画・またライブ配信についてもここに含みます。

こちらに関してはゲーム実況といえど市場はさまざま、やるゲームの種類によっても変わってくる部分はあると思うので個別にいきたいと思います。


費用を極限まで抑えたい方

主に想定しているのは学生、それも大学生や高校生ではなく中学生まで視野に入れた話です。他には本当に試しで買ってみたい人。

こういった人には激安キャプボはかなりオススメできます。初めてゲーム映像をパソコン上に取り込み、録画等した時の感動は忘れられません。

これは私が初めてYouTubeに投稿をした動画です。もう10年前の話ですね。
当時はRCAケーブルが主流だったためGV-USB2で録画していました。価格も3000円程度と比較的安く当時中学生だった自分にもなんとか買える範囲でした。

話は逸れましたが、現在の激安キャプボ群はHDMIにも関わらず当時のRCAキャプボより安い価格で販売されています。ゲーム実況に1ミリでも興味のある人は一度こういった製品を買ってみるといいと思います。


遅延問題・分配器を買うべきか

こういった激安キャプボを考慮する際、ひとつ問題になるのが映像や音声の遅延問題です。

レビュー記事にも載せた動画ですが、これだけ見ても実際の操作感は中々わからないと思います。例えるなら・・・普段テレビで遊んでいる方であれば「ゲームモード」的なのをOFFにした状態の感覚に近いかもしれません。

まぁアクションゲームは快適には遊べません。逆に言えばアクション要素が無いゲームであれば遊べるレベルとも言えます。

ということで、アクションゲームを普段通り遊ぶためにはこういった分配器(スプリッター)が必要になります。似たような形状で切替器(セレクター)もありますがそちらはどちらか片方の画面にしか映せないので使えません。

分配器まで入れると3000~4000円近くになります。もちろん費用を抑えた上で無遅延となると激安キャプボ+分配器の選択にはなると思いますが、そこまで来るとお手軽感も薄く、いっそ2万円帯の製品を考えた方がよいケースもあると思います。

2万円帯の製品の中でも比較的安価でおすすめできる製品です。上のGC311はハードウェアエンコード、HD60 Sはソフトウェアエンコード方式のキャプボです。ハードウェアエンコードの方がPCの要求スペックが低いですが専用ソフトの導入や遅延等少し扱いが難しい印象です。


ライブ配信メインで考えている方

ライブ配信であれば動画に比べて求められる画質は落ちるため、激安キャプボのネックである画質の悪さはそれほど問題にはなりません。

あくまで自分用の動画投稿/配信用途で考えている方

とりあえず自分や仲間内で見られればいい、記録用程度でキャプボを探しているなら激安キャプボでも画質は十分だというケースはあると思います。

PCのスペックがそれほど高くない方

使用しているPCのスペックが低く、配信や録画の画質設定を上げることができない場合にもこういった激安キャプボはおすすめできます。

実況動画の投稿を考えている方

これは考え方によって変わると思います。『実況動画は内容のおもしろさが命、画質はあまり重要ではない』という考え方をするか、『お金でおもしろさは買えないけど画質はお金で買える』と考えるかによります。

個人的には、お金を出せる人なら激安キャプボは避けて2万円級のキャプボを買うのがおすすめです。Nintendo Switchクラスの解像度のゲームであれば一度買ってしまえば以降の追加投資は必要ありません。私の普段使用しているMonsterX U3.0Rは購入から7年が経過しましたが現在でも問題なく使用できています。

収益化を考えている場合、はじめは激安キャプボから始めて得た収益でキャプボをグレードアップするのも一つの手段だと思います。

とことん画質を求める方

これはもう激安キャプボをおすすめしないのは明らかですが、こういった方には2万円帯の製品ではなくこれらを考えた方がいいかもしれません。

4K HDR 60fps、または1080p240fpsでの録画に対応した製品です。現段階で最強とも言えるキャプチャーボードです。PC内蔵型なのでPCIeの空きポートが必要になりますが、すっきりと接続できるのは魅力です。

PS4 ProやPS5など、4K出力に対応しているゲーム機の動画作成を考えている方は選択肢に入れてもいいと思います。+1.5万円そこらで4K HDR 60fps録画対応の製品が買えるのはかなりアドだと思います。


最後に

今回は1000円そこらという激安価格で買えるキャプチャーボードを題材に、用途別でおすすめできるのか出来ないのかについて語りました。

大きくは分配器を加味した際の価格差と性能のバランスが焦点になってくると思います。お手軽価格と思わせて、分配器も加えると「そんなでもないな・・・」となるのではないでしょうか。

結論は『これにお金を出す覚悟のある人はちゃんといいやつ買っとけ』、『お金を出せない人は安いやつでもいいから試してみろ』って話です。こればっかりはその人の価値観によりますね。

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