
オリエン初心者向け動画の作り方
はじめまして
東工大3年の若月俊宏(@tossy5075)です。特筆に値する競技実績は持ち合わせていませんが、今年度は縁あって関東学連で幹事長を務めています。学連でパワポ資料を作ったり、個人的な趣味でオリエン動画を作ったりするのが好きで、それをTwitterに投稿して「いいね」が溜まっていく様子を眺めるのはもっと好きです。
そんなどこにでもいる普通の大学生の私に先日、日本学連公式Twitterにいいねが溜まっていく様子を3時間も眺めてしまう事態が発生しました。そのツイートがこちら。
【動画公開!】
— 日本学生オリエンテーリング連盟(公式) (@tw_uofj) December 11, 2020
オリエンテーリング初心者の方向けに動画を制作しました。森の中でどのように競技を進めていくのか、映像とともに解説します!#春からオリエンテーリング
#冬からでもオリエンテーリング
▼ご視聴はこちらから!https://t.co/zLqmUxwxvl pic.twitter.com/Es2FdKvzjA
ティアの皆さんにはすでに行き届いているであろうこちらのツイートですが、この企画で私は動画の編集担当をしていました。動画を公開してすぐ、想像していた以上の反響があり、好意的なコメントが並んだTLを見て部屋で独り躍り狂っていました。再生回数も公開から3日間で1,400回を記録し、新規のチャンネル登録者も40人獲得。数字を見ても「手応えあり」といった感じでした。
ただ、日本学連の動画コンテンツの制作はまだまだ始まったばかりです。オリエンテーリング動画を充実させるためには、今回の一発だけで終わるのではなく継続して動画を制作していく必要があります。
この記事では
そこで今回は、オリエンティアアドベントカレンダー14日目の枠に投稿させていただく機会を得たので、この動画制作企画を編集者目線で振り返りたいと思います。初めての試みでしたので、全てが完璧に進んだわけではありません。改善すべき点も洗い出していきます。初心者向けの動画に限らず、動画を制作することになった時にどのように企画を進ていけばいいのか、1つのモデルケースとして参考にしていただければ幸いです。
まだ動画をご覧になっていない方は、この記事を読み進める前に是非1度ご視聴ください!この後の内容が読みやすくなると思います。
公開までの流れ
まずは全体の流れを押さえます。すっっっごく大まかに分けると次の3ステップで進めていきます。
①企画 ②撮影 ③編集
①企画
まずは、動画のターゲットと目的を設定します。「これから作る動画は誰に見て欲しいもので、その人のどんな悩みを解決したいのか」を明確にする必要があります。今回のケースだと「ターゲット=初心者」であり、「目的=心理的・技術的な不安を解消する」ということになります。この2つは、この後の撮影・編集の軸になる部分なので、より詳細かつ具体的であることが求められます。
今回は日本学連幹事のさとたまさんが中心となっての企画でしたが、立案の段階で解消すべき初心者や指導する上級生が持つ悩みをかなり具体的にリストアップできていました。この点では、かなりいいスタートが切れたように思います。
ターゲットは「 」、目的は「 」
次に、台本や絵コンテを作成します。撮影・編集に複数人が関わるケースでは、共通の完成形をイメージできている状態であることが理想です。クオリティコントローラとなるようなモデル動画があれば、「こんな感じのものをこれから作るのね!」と言う共通認識が持てますが、海外を見てもオリエンテーリングの動画コンテンツはそれほど充実しているとはいえないのが現実です。そのため、企画の段階でしっかりとした台本や絵コンテを作り、撮影・編集に関わる人の間で目指す完成形を明確にする必要があります。
今回の企画ではこの部分の詰めが甘かったと感じています。それぞれがボヤッとしたのイメージを持った状態のまま集められ、どのような素材が必要なのかよくわからない状態で撮影がスタートしました。結果として、撮影・編集ともにかなりの時間がかかってしまいました。
目指す完成形を明確にする。
②撮影
準備段階としてまず、撮影に必要なヒト・モノ・場所を集めます。
今回のケースでは、ファミテックでの日本学連幹事会に合わせて撮影をすることになったので、一部の幹事メンバーと有志を集めました。ありがたいことに、かなりの豪華メンバーが集結してくれました。冷静にめちゃくちゃ適任でした。谷野さん人選あざす。撮影に協力してくれたメンバーについては動画の概要欄をご覧ください!
次に、撮影に必要な機材ですがオリエンテーリングの撮影にはやっぱりGoProがぴったりです。今回のケースでは、GoPro所持者が撮影に関わっていたので自然とモノが集まりました。以下に、撮影に使った機材をまとめておきます。
・GoPro Hero8(2台)
・Mavic Mini(ドローン)
・つぶあん・こしあん(どっちだっけ)
最後に撮影を行う場所を用意します。今回は幹事会に合わせて日光例幣使街道での撮影を企画。レッグごとに課題を設定したコースを組んでいただきました。谷野さんあざす。
撮影に必要なヒト・モノ・場所を集める。
さあ、いよいよ撮影本番です!
台本・絵コンテがしっかりしていれば、それに沿って撮影するだけです。なお、素材はあればあるほどいいと思います。別のパターンを撮ってみるとか、同じことをしている様子を複数の視点から撮影するとか。テレビでよくみるインタビュー映像も、いろいろな角度からのテイクをつなぎ合わせて視聴者を飽きさせないようにしていますよね。オリエンテーリング動画でも見ていて飽きない工夫ができるように、素材を撮っていきましょう。
今回のケースでは、後ろからの追走映像と頭に取り付けた一人称視点の映像を組み合わせることを計画していましたが、設定ミスで一人称視点の映像がタイムラプスになってしまい、結果として追走映像に頼り切った動画になってしまいました。ドローンももうちょっと活用したかったですね。
そして何よりも大切なのは、撮影を楽しむことです!やはり楽しそうに撮影された映像は見ていて気持ちがいいです。今回の撮影は、Can☆Do康夫が終始盛り上げてくれました。おかげで、編集中もニヤニヤしちゃうような素材がたくさん集まりました。編集の都合上、使い切れなくてごめんね。
見ていて飽きない、楽しい素材をたくさん撮ろう!
③編集
素材が揃ったらここからは編集担当の腕の見せ所です。とはいえ撮影と同様、台本・絵コンテがしっかりできていれば、それに沿って撮影するだけです。
今回のケースでは、素材を見てどのように組み立てていくかを編集担当が考えることになり、結果としてナレーションを入れることでゴリ押しで素材をつなぐことになりました。ちなみに撮影から公開まで5ヶ月かかりましたが、さすがに時間かかりすぎです。完成形がイメージできていなかったとはいえ、これは明らかに僕の怠慢が主な原因です。さとたまさん、まじでごめん。
編集の手順はざっと以下の通り。納品まで5ヶ月かかったといいつつも実際に考えたり手を動かしていた時間は70時間くらいでしょうか。②くらいまでがなかなか進まず一番鬱でした。④の技術は今でもどうするのが正解なのかわかりません。日々勉強です。
1.素材を確認
2.構成を練る
3.使う素材を選定・カット
4.地図編集(現在地表示するやつ)
5.テロップ入れ
6.台本作成・アフレコ
7.BGM探し
8.音量調整
9.サムネイル作成
10.YouTube最適化(概要欄・タイムスタンプ)
11.公開・広報
12.Twiiterで反応をみてニヤける
編集の際に意識していたのは、動画の目的を見失わないことと、視聴者を離脱させない工夫をすることです。
今回作成したかったのは撮影者や編集者の自己満動画ではなく、あくまで初心者の悩みを解決することが目的の動画です。編集をしていると楽しくなっちゃって方針を見失いがちです。ここはかなり気をつけました。
視聴者を離脱させない工夫をするのは、YouTubeのレコメンド機能でより多くの人に動画を届けることが目的です。YouTubeには視聴維持率という指標があり、この数値が高い動画がバズるようになっているらしいです。そのため離脱者が多発する最初の15秒にハイライト映像を挿入したり、BGMを複数選定し動画の展開に合わせて音量調節をするなどして、長い時間見ても苦にならないような工夫をちりばめました。YouTube大好きマンなりに考えてやってみましたが、見てくださった皆さんどうでしょうか?是非次会ったときに、感想教えてください!
動画の目的にマッチした編集を行う
視聴者を飽きさせない工夫を盛り込む
参考までに、僕の編集環境を晒しておきます。敬遠されがちな動画編集ですが、今回公開したレベルのクオリティであれば特別難しいことはしていません。僕自身どこかでお金を払って勉強したわけでも、大学で習ったわけでもないですし。「こういうの作りたいな」と思いさえすれば、答えはネットにいくらでも転がっています。ぜひチャレンジしてみてください、結構楽しいですよ!
MacBook Pro (13-inch, 2017, Two Thunderbolt 3 ports)
プロセッサ 2.3 GHz デュアルコアIntel Core i5
メモリ 8 GB 2133 MHz LPDDR3
Final Cut Pro X
今後の展望
こうして、たくさんの人の協力があって今回の動画は出来上がりました。ここまで読んでくださったあなたなら、当然チャンネル登録はおすみですよね?まだの人は以下のリンクから今すぐ登録してください!
少しだけYouTubeのお話をすると、YouTubeではチャンネル登録者が1,000人を突破すると収益化を行うことができます。再生回数に応じて広告収入が入ってくるだけでなく、ライブ配信に合わせてスーパーチャット(投げ銭)ができるようになったりもします。インカレライブ配信でスパチャ、したくないすか?めっちゃ楽しそうやん?なので、是非是非チャンネル登録をお願いします!
もちろん登録をお願いするからには、これからも継続していいコンテンツをお届けしなくてはいけません。今回の動画が1つのきっかけとなり、日本学連公式チャンネルやその他のオリエンティアチャンネルがもっともっと充実していくといいなと思っています!
余談ですが、今回の動画を公開して「【上級者向け】オリエンテーリングの基本【実践編】が見たい」との声が大石さん方面から上がっています。小牧さんに走ってもらいその様子を解説するものです。面白そうだったのでセリフだけ考えました。
「ここでヌルッとコンタします」
「とりあえず等高線を10本ほど登ります、簡単ですね」
「姿が見えませんががポストに到着したようです」
これは見たい。実現したらまた編集担当やってもいいです。なお、納品までは最大で5ヶ月ほどいただきます。
おまけの宣伝
①YoungMoonのYouTubeチャンネル
個人的にオリエン動画を投稿しています。よかったら覗いてみてください。おすすめは【幹事長】山リハリレーで魅せた驚愕のオリエンテーリングです。つい先日1,000回再生を突破しました。僕はこのエリアの隣ポを6,000回叩いたことになります。
②第4回東工大大会
2021年のGWに僕が所属する東工大OLT主催の大会を開きます。最新情報をお見逃しなく。Twitterでも発信します!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!