セリエ勢20-21CLベスト16敗退について

はい。今回は前回イタリア勢のCL展望記事を書いたので、その続編ということで全滅について話していきたい。

ユベントス

悪い予感が当たってしまった!ダークホース感のあるポルト相手に勝ちきれなかったユベントス。ファーストレグでの最速得点記録、セカンドレグではポルトが退場者を出し10人相手だったこともあって3得点したものの、2失点で敗戦。

アッレグリ監督退団からCLでの競争力は落ちたと言って差し支えないだろう。今後もロナウドを残留させるプロジェクトは続行するのかが気になる。ロナウドに関しては経済効果もあるが、留めておくコストもかかる。

ピルロユベントスはトランジション、引いたときのディフェンスが弱点に感じていて、それがあまり解消されないままだ。セリエAでは通用するがCLでは蹂躙される可能性が高い。

現状CLで勝ち抜いているクラブは、監督にゲーゲンプレスを仕込むことのできる人材が求められてきている。そうでない場合には、かなり強固な守備ブロックを形成できるとか、突き抜けた何かが必要になる。ユベントスも、このままのスタイルを維持しつつCLで戦うには、ゲーゲンプレス、攻守の切り替えの速さが不可欠。で、多分、それが一番難易度高いんだろう。

イタリアが戦術の先端にいる時代は終わっていて、今は国外から学びが必要な時期だと感じている。イタリア人監督で無理なら、ドイツ、オーストリア方面の監督を招聘するプランがあってもいい。それこそナーゲルスマンにステップアップ前のウォーミングアップとしてイタリアを打診するとか、ランゲニック呼んでアシスタントにクラブOBを入れておくとか、そういうことが今後は必要になってくるんじゃなかろうか。あくまでこれは、CLで勝つにはという話。

アタランタ

レアルマドリードにファーストレグ0-1で敗戦し、セカンドレグでも4-1で敗戦。完膚なきまでに叩きのめされた結果となった。やはりゴメス不在の影響か、相手のラインを越えるためのパスが引っ掛かっていたのが印象的だった。

ただ、資金力を考えれば妥当な敗戦であり、CLのGL突破自体が凄いこと。ここはしょうがないと考えて、来季もCLの舞台に立てるようセリエAでの奮闘に期待。

ペッシーナ、ミラノフスキーのような若手がCLの舞台に立てたことは、今後に繋がりそう。

ラツィオ

一時期はポストアッレグリとして噂されていたインザーギ弟。そんなインザーギのチームをあっさり葬った永遠帝国バイエルンの強さを褒めるしかない。それでもグループリーグを勝ち抜いたのは立派。

そして、今季はセリエAで大苦戦。おそらくCL出場権獲得は厳しい。二足の草鞋を履くには戦力的に厳しかった。さらにサビッチ移籍の噂もずっとあるので、今後どうなっていくかは、クラブ首脳陣がどうしたいか、にかかってくると思う。

また、インザーギ弟がこれからどのようなルートで出世しようとしているのかも興味深い。ラツィオでの印象としてはダイレクトな戦い方していると感じるが、それもサビッチがいるからだったり、速攻を志向するのもインモービレ、アルベルト、コレアがいるからだろう。持っている戦力を上手く組み合わせてチームを構築するのが得意な監督だと思う。

総評

いやーベスト16で全滅は寂しい。管理人は満遍なくサッカーを見るほうなので、今シーズンのCLがどうなるかは気になるが、そこにイタリア勢がいないのは切ない。でもアタランタもラツィオも、くじ運悪かったのは間違いない。

ユベントスの項目時に語ったけども、イタリアは戦術の国というのは幻想になった。まだ、アッレグリがいれば、と思うかもしれないが、最近活躍するドイツ人監督が率いるチームに勝つ絵があまり浮かばない。さらにそのチームの多さを考えても、現在優秀な監督を輩出している国はドイツだ。

CLで優勝するためには、抜本的に指導者選び、イタリア人指導者育成の部分にメスを入れる段階に入った気がする。もちろん、既存の監督たちの成長を諦めているわけではないが、ドイツサッカー界の指導者たちに勝つのは難しくなってきそうだ。

イタリアにはイタリアのやり方があるかもしれないが、戦術グローバリゼーションの現代サッカーに、それが通用するとは思えない。

ペップのサッカーへの対策を考えるのではなく、それと対等なやり方を模索する段階に欧州サッカー界が入ってきたのを感じたCLだった。

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