還暦アドレス・ホッパー 〜番外編「TRIP BASE STYLEアンバサダー」
「旅をもっと自由にできる人」を探しているというこんな募集があったので締め切りギリギリに応募してみた。内容をあまり確かめもせず。
「旅を自由にできる人」に近いが「人生を自由に生きる人」を考え始めていたときだったので、リンクしないでもないと思った。物理的に引っ越しも考えていてどこに住もうかと思案の中、アドレス・ホッパーもありだと思い始めた矢先でもあった。「旅するように引っ越し、引っ越すように旅する」その地その地を住居と思えば、旅とは違った日常の中の風景が見えてくるかもしれない。旅の一期一会ではなく、ご近所の世間話ならまた違った話、多分ありふれた会話を交わすのかもしれない。
地方出身だが東京暮らしが40年以上に及び、それが当たり前になっていた。そんなあるとき仕事の関係で中規模程度の地方都市(といっても県庁所在地だが)に通うこととなった。行き来するうちにそこでのコミュニティにも参加するようになり、しまいには短期ではあるが移住までしてしまった。住んでみるとまた違ったものが見えてきて、それは面白い体験だった。それまで「これからは地方の時代」とか「地方創生」とか叫ばれながらも、実際は一極集中が続き地方は廃れるばかりだと思っていた。しかしそこにはその地なりの特徴あるリソースがあり、活力の胎動があることを感じた。ポテンシャルはある、後はそれをどう引き出しアピールし繋げていくか。その時は、それができなかった。未熟だったのかもしれない。
今還暦を迎え、地方創生というだけでなく、日本全体をフラットに捉えて仕事や生活をする、そんな生き方ができないものかと考え行動しようとしている。どこに住もうがどこの仕事をしようがこれまでような制約を受けずに生きていける、そんな環境ができ始め、そういう時代になるつつあると感じている。地方創生ではなく、日本再生といってもいいかもしれないが、その活力の源は「人材」だ。人の流動性が高まれば自ずと各地のリソースが再発見され新たな視点での再構築が行われる。そんな動きがいろんなところで湧き上がり、そしてそれが繋がっていく。そういう創世に関わっていきたいと思っている。思い返してみれば、40年間の仕事人生の中で生きるためにとやってきたことだが、何らかのリソースをさまざまな視点、切り口で加工し、サービスや事業へと構築していく、そんな企画や作業が好きだったんだと思う。
還暦というともはやオワコン、定年、隠居の始まりと思われるだろうが、自分の感覚的にはまだ何かにチャレンジする気力がみなぎる、程ではないが残っている。旅するように居を移しながらその地のリソースを発見し、どう再構築するかを考えてみる。生活のための仕事は別に確保しながら、それは趣味のような、逆に使命にような、まあ損得抜きで取り組んでみたい。そして、こんな生き方もあるということを同世代や、いやむしろ若い世代に発信していければいいと思っている。
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