第一回 note ショートショートフェスティバル参加作品の感想+αです。
えー、みなさま、いつもご贔屓いただき、まことにありがとございます、
ことのは屋とし兵衛でございます。
今日はご縁があって読ませていただいた、 第一回 note ショートショートフェスティバル参加作品、五つについて、簡単に感想を書かせていただきます。
なお、ネタバレのおそれもありますので、各作品を事前にお読みいただけたら幸いです。
まずは、ひとみさんの「待ち焦がれながら真夜中に。」。
https://note.mu/mogumogupurin/n/n12ec0fd020a4
恋人と一緒にいることの幸せの裏に潜む不安を、真夜中に相手を待つ時間として切り取った、一枚の絵のような作品。この掌編を読んで、ぼくも今回のフェスティバルに参加させてもらうことにしました。
お次は、よしときさんの「失せ物」。
https://note.mu/yosh1tok1/n/nc13e10368043
鍵をなくすというできごとの持つ「やっちゃったなぁ」感が、自分の命を失うときのさみしさにまで拡大されて、人生の縮図がそこに映しだされます。それでも日々を淡々と生きていく「僕」のあり方に、共感を覚えました。
三つめは、有里 馨さんの「ローダンテの追憶」。
https://note.mu/kei_arisato/n/n3fa47e9fafd3
すっと読める文章の中に、届かぬ想いの切なさと、ひたすらな気持ちの大切さが美しく描かれています。誰もが九九九本の薔薇を心の奥に秘めているのかもしれません。
四つ目は yosh.ash さんの
「……の自転車のうしろに乗りなよ - Corrupt Island Baby」。
https://note.mu/yosh_kyoto_ash/n/n1f7581147bf9
実験的な小説です。ぼく、わたし、あたし……。十個の一人称を使い分けることで、前衛映画を思わせる奇妙な現実感を紡ぎだしています。子どもの持つ無邪気と、対極の破壊衝動がひとつとなる、静謐な融合の場面は、絶望的なこの社会に対するロックな主張として響きます。
五つ目は……、失礼、感想ではなくて、自作自解です。
とし兵衛「さめぎわのバラード」。
https://note.mu/tosibuu/n/nbac0291b2cdb
自分の実体験をもとにした私小説風の小品です。明晰夢というのですが、夢のなかで夢であることに気づいたり、触感まではっきりとしていたり、また夢うつつの状態で、現実の側を意識しつつも、夢のなかにいることって、あるんですよね。
題名はバラードとしましたが、ぼく自身の「届かぬ想い」への鎮魂歌(レクイエム)とでもいうべき作品です。
というわけで、わずかではありますが、フェスティバル参加作品のご紹介でした。
いやー、小説ってほんとにいいですねぇ。
それでは、みなさん、さいなら、さいなら、さいなら。
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