少しぞっとした話

年末年始休暇はほとんど実家で過ごし、昨日約一週間ぶりに一人暮らし中のマンションに帰宅した。
しばらく誰もいなかった部屋。室内はなんとなく空気がこもっているような気がした。
キッチンと浴室の換気扇を回し、寒くはあったが室内唯一の窓を開けようとした、その時。

気づいてしまった…鍵が締まっていないことに。

そこそこ人通りの多い道に面したマンションの四階に住んでいるため、普段ならそれほど心配することはない。まさか壁をよじ登ってくることはないだろうし、仮にそんなことをしようものなら確実に人目につくからだ。
しかし今、私の住んでいるマンションは外壁塗り直しの真っ最中。足場が組まれており、作業員の安全のためのネットが目隠しにもなってしまう。しかも作業員が常にいるという訳ではない。特に夜間は格好の侵入ルートになりかねない。

慌てて室内を見回し、貴重品がなくなっていないかを確認する。何もなくなっておらず、また誰かが侵入したような形跡がないことを確認しようやく安堵した。もっとも、よく考えると貴重品は全て持って出かけていたので、仮に誰かが忍び込んだところでそもそも盗まれるようなものはなかったのだが。

ともかく、何事もなくてよかった。
盗まれるものがなくとも、タイミングによっては侵入者と鉢合わせ、などという危険があるかもしれない。
一週間、自宅が無防備に曝されていたという事実にぞっとしながら、防犯意識を高めようと心に決めた一件だった。

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