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#48 H26年度大阪府の製造業の物質フローを分析してみた

#47にて 、H26年度の大阪府の製造業の物質フローを図にしてみました。

総投入387101ktに対して、廃棄物発生量3217ktであり、全体の約0.8%が廃棄物となっています。
移輸入220486ktが、移輸出24345ktの約9倍であり、総産出372765ktに対して、消費165868ktが約40%を占めていることから、大阪府は製造業製品を大量に移輸入して、大量に消費していることがわかります。

物質フロー図を再掲すると、以下のようになります。

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移輸入、消費が最も多い飲料・飼料

移輸入、消費ともに最も多い産業が飲料・飼料です。

飲料・飼料の移輸入172005ktは、製造業全体の移輸入220486ktの約78%を、消費127747ktは、製造業全体の消費165868ktの約77%をそれぞれ占めています。

飲料・飼料の物質フローを示すと、以下のようになります。

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投入187729ktに対して、移輸入172005ktであり、移輸入が投入の約92%を占めています。

また、移輸出18998ktに対して、約6.7倍の127747ktが消費となっています。

次に、大阪府の製造業で廃棄物発生量の高い鉄鋼、パルプ・紙の物質フローを示します。

鉄鋼の物質フロー

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鉄鋼の廃棄物発生量873ktは、製造業の約27%を占めています。

その中で最も発生量が多いのが金属くず(約54%)です。金属くずに関しては、ほぼ100%資源として有効活用されています。

次いで発生量が多いのが、鉱さい(約28%)で、そのほとんど(約94%)が資源として有効活用されています。

また、大気放出量にも注目です。鉄鋼の大気放出量は、製造業の約66%を占めています。石油製品・石炭製品の投入量削減が期待されるところです。

パルプ・紙の物質フロー

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パルプ・紙の廃棄物発生量581ktは、製造業の約18%を占めています。

その中で最も発生量が多いのが汚泥で、約87%を占めています。その次が木くずで約11%となっています。

両者とも減量化されたのち、汚泥は発生量の約2%が、木くずは発生量の約1%が最終処分に回っています。なので、最終処分の量を削減し、資源化されることが両者に期待されます。

投入量と廃棄物発生量との関係

投入量と廃棄物発生量との関係を示すと以下のようになります。

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それぞれの平均値の交点を原点とした場合、廃棄物発生割合が低い第4象限が望ましい状態となります。H26年度大阪府の場合、該当する産業は見当たりません。

逆に、第2象限は廃棄物発生割合が高い産業となります。H26年度大阪府の場合、パルプ・紙、化学、鉄鋼、金属が当てはまります。

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