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#68 H27年度岩手県製造業の物質フローの推計

今回は、以下の式の評価関数を用いて、目的関数zが最小となるような重量単価の再設定を行うところからスタートです。

評価関数の式

最適化には、pythonの最適化計算ライブラリPyomoを用いました。
最適化計算の一連の流れについては、以下の記事を参照してください。

最適化した重量単価におけるH27年度岩手県廃棄物発生量の推計

最適化した重量単価におけるH27年度岩手県の廃棄物発生量の推計値と統計値

推計結果を表68-1に示します。また、図68-1に、再設定した重量単価によって推計した、H27年度岩手県の製造業24分類の廃棄物発生量と実態調査報告書の値を比較したものを示します。

表68-1 最適化した重量単価におけるH27年度岩手県製造業の廃棄物発生量推計結果

図68-1では、統計値が0である皮革はグラフから除いています。
相関係数は、0.995となりました。

図68-1 最適化後の重量単価におけるH27年度岩手県製造業廃棄物発生量の推計値と統計値の相関

最適化後の廃棄物発生量の推計値と統計値の相関の検定

t分布表は、以下のサイトを参考にしました。

t分布表

有意水準は、1%とします。自由度が21なので、1%水準(両側検定)のt分布の値kは、2.8314。

検定統計量T = 0.995√(23-2)/√(1-0.995^2) =47.4836

T>kより、帰無仮説は棄却され、対立仮説を採用。つまり、有意水準1%で2変量(推計値と統計値)には相関関係があるといえます。

岩手県の製造業の物質フロー(H27)

岩手県の製造業全体の物質フロー(H27)

図68-2に、H27年度岩手県の製造業の物質フローを示します。

図68-2 岩手県の製造業全体の物質フロー(H27年度)

総投入90489ktに対して、廃棄物発生量596ktであり、全体の約0.7%が廃棄物となっています。

H23年度では、総投入全体に対して、約2%が廃棄物となっていたので、H23年度と比較して、H27年度は廃棄物発生割合が低くなっていることが伺えます。

総投入25986ktに対して、廃棄物発生量520ktであり、全体の約2%が廃棄物となっています。

#67 重量単価初期値におけるH27年度岩手県製造業の廃棄物発生量の推計

また、総産出89069ktに対して、他産業24127kt,、移輸出40049kt、消費2868ktとなり、H27年度の岩手県の製造業は、県外に製品を多く出荷していることがわかります。

H23年度と比較すると、H27年度は他産業の割合が減少し、移輸出の割合が増加したことがわかります。

また、総産出25130ktに対して、他産業15278kt,、移輸出5077kt、消費2163ktとなり、H23年度の岩手県の製造業は、県内の他産業に製品を多く出荷していることがわかります。

#67 重量単価初期値におけるH27年度岩手県製造業の廃棄物発生量の推計

H27年度岩手県製造業で廃棄物発生量の高い輸送用機器、窯業・土石の物質フローを示します。

岩手県の輸送用機器の物質フロー(H27)

図68-3 岩手県の輸送用機器の物質フロー(H27)

H27年度岩手県の輸送用機器における廃棄物発生量は、製造業全体の約17%を占めています。

岩手県の窯業・土石の物質フロー(H27)

図68-4 岩手県の窯業・土石の物質フロー(H27)

H27年度岩手県の窯業・土石における廃棄物発生量95ktは、製造業全体の約16%を占めています。

また、投入58175ktに対して、他産業35824kt、移輸入6781ktより、県内の他産業から多くの製品を受け入れていることがわかります。

そして、産出57979ktに対して、他産業7137kt、移輸出35126ktより、県外に多くの製品を出荷していることがわかります。窯業・土石の移輸出は、製造業全体の約88%を占めています。

H23年度と比べると、他産業と移輸出の割合が逆転していることがわかります。

また、産出量13586ktのうち、他産業11051ktが約81%を占め、窯業・土石産業は県内の他産業へ多くの製品を出荷していることがわかります。

#67 重量単価初期値におけるH27年度岩手県製造業の廃棄物発生量の推計


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