洋楽『Stand Inside Your Love』(Smashing Pumpkins) 陶酔的な自己嫌悪

スマパン(Smashing Pumpkins)って本当にいいよなぁ、ってつくづく思う。

非常に多作で今も活動しているけど、僕は第一期(なんて誰も呼んでないけど)の、最初の5枚が好きだ。どれも特徴的で語られるべき余地は多いが、近年は『MACHINA/The Machines Of God』をよく聴いている。

このアルバムって、それまでとそれからのスマパンのいいところがいっぱい詰まっている。Aメロ→Bメロ→サビという邦楽っぽい流れで構成されてる曲も多く、全体的に聴きやすい。

僕は特に『Stand Inside Your Love』が好きだ。壮大な物語を予感させるイントロ。ここから鳥肌ものだ。全ての楽器が息をしている。そして入ってくる切ないメロディとビリーの声。この曲を構成する全ての要素が僕を興奮させる。

PVも素敵である。ゴシックな世界観で描かれるダークなメルヘン。イハがバイオリンの弓っぽいのでギターを弾く姿が、妙に世界観にマッチしていて好きだ。

『Try Try Try』や『This Time』、『Glass And The Ghost Children』、『 Age Of Innocence』など、このアルバムは他にも語るべき曲がたくさんある。個人的には『With Every Light』なんか、物凄く好きだ。冒頭の『The Everlasting Gaze』からして隙がない。

そう、彼らの作品は隙がない割りに、不思議と「完璧」とも思えない。スタンダードやクラシックにならない(なれない)、そんな何かしらの欠落を抱えているように感じる。そしてその欠落がまた、彼らの楽曲に彩りを与えているのだと思う。

どうかいつまでもこの不思議な夢に溺れていたいと、彼らの音楽に身をひたすたびに願う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?