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【青に白の三角】

霜焼けでザラザラした桃色の頬、鼻水をズビズビさせて口呼吸をしている。濃い水色に白線が3本入ったジャージと、半纏・・・田んぼと護岸工事された河川の間にある農道を走っている。手には黄色いバトンのような糸巻き、空には三角に大きな炎の吊り目がついた白いゲイラカイト。

上を見て、振り返り、上を見て、振り返り・・・

ゼ―ハーゼ―ハー・・・喉に鼻水が入って、咳き込む。

冬の乾いた空気、喉の奥が張りつく様な熱さ、鼻水の塩気・・・

ゼ―ハーゼ―ハー・・・

冬の淡いが深い青に、白い三角が徐々に小さく溶け込んでいく

糸巻きを回し、風の抵抗を感じながら、空を見上げ後ろ歩きする。

ゼ―ハーゼ―ハー・・・

ゆっくりあとずさりしながら、息も落ち着いてきて、太陽の光の六角形が横切り、光に包まれた瞬間

闇に包まれた。

何が起きたのか分からなかった。U字溝でシャッターが掛かった空というよりも光。頭頂部が熱く脈をうつ、滑っとした生暖かい赤い液体。私は冬でカラカラに乾いた用水路のU字溝に後ろ頭から落ちたのだ。

ゲイラカイトは宿主を失い空高く消えて行くのを背に家に泣きながら家に向かった。おばあちゃんが手当てをしてくれた。

今も私の頭には毛の生えていないつるっとした傷がある。たまに傷を認識するたび、この光景を思い出す。

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