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Vancouver物語9

【Vancouver物語9】  
**ホストファミリー編**

4日目の午後は、娘のホストファミリーに会いに行くことになった。どんな家、どんな部屋、どんなホストファミリーと一緒に暮らしているのか、見てほしいという娘の計らいだ。到着すると、100年以上経つという古い家をリノベーションしたとても可愛い家だった。そこの2階の一部屋に娘は住んでいる。ホストファミリーのアシックとリアンナ夫婦が満面の笑みで私たちを迎えてくれた。


アシックはフィジー生まれのムスリムで、リアンナはバンクーバーのチャイナタウン生まれ。娘からも本当に良い人たちだと聞いていたが、二人とも温厚で冗談好きな老夫婦で、今まで多くの留学生を受け入れてきた経験豊富なホストファミリーだった。一度に2名受け入れていて、先日までは娘の他にイタリアの娘が、次は中国の娘が来る予定だという。私たちは日本の風呂敷にハラル認証のお菓子などを包んでお土産として渡した。アシックはムスリムなので、ハラル食しか食べず、お酒もギャンブルもしない。しかし、とても温厚でお茶目なキャラクターで、ボソッと面白いことを言う。リアンナは活発で畑仕事が大好き。寒いのは嫌いで、夏が好きだと言っていた。庭には大きなリンゴの木があり、たくさんの実がなっているが、あまりに多すぎて、いつも清掃が大変だし、ゴミ箱はリンゴでいっぱいだと笑っていた。

ホストファミリーの二人は、私たちをホワイトロックという南の海岸に連れて行ってくれると言うので、アシックの運転で向かうことになった。バンクーバーの郊外は畑が多く、そのほとんどがブルーベリーとコーンだ。コーンは乳牛の餌になるらしく、アシックは「ほら見て!あれがブルーベリー畑だよ!こっちはコーン!これは牛の餌だ!」という説明を30回くらい繰り返し、笑いを取っていた。同時にリアンナの話も止まらない。片言ながらもカミさんの明るいコミュニケーション能力に助けられた。1時間ほど経つと目の前に海が広がり、その海の対岸がアメリカだと知った。

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